2020年12月に開業した私は、フリーランス初年度の確定申告から、期間も短いため会計ソフトや会計サービスが簡単そうだと思い、青色申告に挑戦しようと考えました。
また、1カ月しかないので初年度はおそらく赤字になることが予想されます…。
青色申告者は最長3年間赤字を繰り越せる「損失申告」で、黒字化した際の節税ができることからも、私には青色申告が必要です。
結果的に2020年分の確定申告には開業時にもお世話になった信頼感から(開業freee)、クラウド会計サービスのfreeeを導入することにしました。フリーランス1年目の観点から、今後同じ道を歩む方への確定申告に向けた準備を備忘録として残します。
確定申告とは
確定申告の目的は、税務署への報告です。
「今年はこのようなお金の動きがあり、最終的に支払うべき税額はいくらで確定しました」という報告書の作成をするのです。
結果、支払うべき税が足りていないことが分かれば、追加納税をし、税額より控除が上回るなど、税を支払い過ぎていれば確定申告をすることで還付されるわけですね。
確定申告をしないと?
会社員であれば会社があらかじめ所得税を源泉徴収し、払いすぎていれば年末調整で還付と申告を代行するため、確定申告の必要はありません。
フリーランスであれば自身の税の報告は自身が行う必要があります。納税は憲法で決まった義務ですので、3/15の申告期限に遅れた場合、「無申告加算税」(税務署からの指摘を受けると納税額の15~20%、自主申告でも5%)や「延滞税」、意図的な納税逃れを認定されてしまうと「重加算税」(納税額の40%)という手痛い追徴が課されます。
確定申告しなくてもいい場合は?
ただし、収入-経費である「所得」が38万円以下であれば、納める所得税がないため、確定申告をしなくとも構いません。
その代わり最長3年間赤字を繰り越せる「損失申告」もできないため、確定申告はしておくに越したことはないと思われます。
節税に青色申告
確定申告の種類で、節税となる控除額が変わるという知識だけはありました。
なんとなく簡単で控除額が安い白色申告、面倒で控除額が高い青色申告という認識はありましたが、調べると、税制が変わった2020年(令和2年)から青色申告による控除額が
- 10万円
- 55万円
- 65万円
の3段階になり、最大65万円の控除を受ける場合は電子帳簿保存またはe-Taxによる申告が必要とのこと。
そしてe-TaxにはICチップ付きのマイナンバーカードを自前のカードリーダーでの読み込みが必要なため、急いでマイナンバーカードの申請とカードリーダーの選定という、聞いていた話と違う事態に慌てました。
そして漠然とレシートや請求書など、経理書類をきちんと時系列順に残してメモっておけば完璧だろうと高を括っていましたが、実際やるとなると複式簿記という初めて聞く方式に焦り始めました。
家計簿のような出金と入金を足し引きしていく、単式簿記をイメージしていたのですが、「貸方」「借方」を同時に記入する複式簿記はそれだけで記入する手間が倍です。
ただそこはツールの揃ったこの時代。
初めから会計ソフトや会計サービスが充実しており、相当な労力を削減できることはありがたい限りです。
日々の経費精算を会計ソフトで効率化
確定申告の目的は税務署への報告ということでした。
そのため事細かに記入する必要があり、あとでまとめてやろうと思っても、1週間前のレシートでさえ何の費用だったか思い出すためにメールやカレンダーを遡ってみたりととんでもない時間がかかってしまいます。
自分も会社で建て替え領収書の精算時に苦労したことがあります…。
その点レシートは速やかに何の費用だったか裏面にメモっておくことが大切です。過去にこの苦労を味わった方は、この「経費のその場でメモ」の素晴らしさがわかると思います。
どのみち経費をまとめて確定申告用の提出書類としてまとめなくてはならないのであれば、出力まで持っていけるソフト・サービスがあったほうが圧倒的に時間も手間も効率化できます。
ただ導入にかかる費用に見合った効率化が出来るのか、を最後に少し調べてみました。
調べた会計ソフト・サービス
名前 | 料金(個人) | OS/デバイス |
---|---|---|
やよいの青色申告21(インストール型) | 12,000円~ | Win |
やよいの青色申告 オンライン(クラウド型) | 年額8,000円~ | Win/Mac/スマホ |
マネーフォワード クラウド会計(クラウド型) | 月額980円~ | Win/Mac/スマホ |
みんなの青色申告(インストール型) | 9,800円 | Win |
freee(クラウド型) | 月額980円~ | Win/Mac/スマホ |
このようにインストール型とクラウド型があることや費用感がわかったので、改めて自分が欲しい機能と、各ソフトの主な機能を比較してみます。
会計ソフトを会計freeeに決定
基本的に上記ソフトは、カードの支払い履歴や銀行の入出金履歴がAPIで対応していれば同期読み込みができ、仕分け項目を選択するだけになります。
「みんなの青色申告」以外ではレシートをスマホで撮影して金額を読み取る機能があり、項目だけその場で入力しておけば、20秒程で済むようです。
- 普段はPC、外出時もスマホで入力できる
- 口座やクレジットカード情報を連携できる
- 法改正によるアップデートは自動でして欲しい
- 知識が必要な高機能より簡単入力
- PC故障時のデータバックアップ
このような要望が見えてきたところで、インストール型のソフトではなく、クラウド型の会計サービスに絞り込まれました。
結果的に「会計freee」を選択しました。
会計freeeその決め手
決め手は「完全自動仕訳」機能です。ある取引先で発生した収入、支出を学習し、勘定科目を推測してくれるようになります。使い続けるほど精度が上がり、ほとんどの項目を自動仕訳できる未来が想像できたことが大きいです。
映像クリエイターはモノを作る職業に比べ、部材の仕入れというものが少ないために、還付になることが多いと思われます。
お金の流れを正確に記入しながらも時間が削減できるとあれば、フリーランスには強力な効率化ツールと言えるでしょう。
確定申告の時期に慌てないよう、freeeで日々の煩雑な会計業務から解放されましょう。
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