エクスプレッション

レイヤーの点滅を掌握するエクスプレッション

レイヤーを点滅させるエクスプレッション…だけでは味気ないので、少し遊んでみましょう。

では、仕掛けの全容を書き出してみます。

  • とりあえずレイヤーを点滅させる
  • 任意のタイミングでOFFにしたい
  • 点滅の点灯時間と消灯時間を指定したい

これでいいでしょう。

言葉を式に変換していく

段階を踏んで形にしていきます。

点滅するエクスプレッション

とりあえず点滅するだけならこうですね。不透明度のエクスプレッションです。

JavaScript
var fps=1/thisComp.frameDuration;
var frame=Math.floor(time*fps);
if(frame%2==0){
	value;
}else{
	0;
}

1/thisComp.frameDurationでコンポジションの1フレームを調べ、再生バーがあるtimeと掛けて何フレーム進んでいるかを取得します。

その進んでいる現在時間であるframeをif文で2で割ったあまりが0なら不透明度に入力されているvalue、0でなければ不透明度0にします。

これで1フレームごとに不透明度がvalue, 0, value, 0…と繰り返すことで点滅となります。

任意のタイミングで点滅しなくする

ここから点滅をOFFにする、タイミングを指定するなにかが必要です。

何が良いでしょう。そうです。マーカーが便利でしょう。

マーカーを通り過ぎたら点灯状態に移行しましょう。そしてマーカーを通り過ぎたかどうかがわかるのであれば、マーカーの度にON/OFFする仕組みもできそうです。

JavaScript
var fps=1/thisComp.frameDuration;
if(marker.numKeys==0){
		value;
}else{
		var keyNum=0;
		for(var i=1;i<=marker.numKeys;i++){
				if(marker.key(i).time<=time){
						keyNum=i;
				}
		}
		var on=(keyNum%2==0);
		if(on){
				var frame=Math.floor(time*fps);
				if(frame%2==0){
						value;
				}else{
						0;
				}
		}else{
				value;
		}
}

まず2~4行目は核心ではありません。レイヤーにマーカーがなければ不透明度はvalueのままです。

5行目からいきましょう。keyNumはマーカーを何個通り過ぎたか格納する箱です。

6~10行目、for文でマーカーの数繰り返しマーカーの時間を再生バーが通り過ぎたか確認し、通り過ぎたマーカーの数をkeyNumに保存します。

11行目でとあるマーカーが何個目かを確認し、偶数ならtrue、奇数ならfalseをonに入れて、次の処理で点滅のON/OFF判定に使います。

ON状態なら、12行目からの処理で先程の点滅スクリプトを走らせればOKですね。

完成

盛り上がって参りました!

ではいよいよ、点滅状態での点灯時間と消灯時間を掌握するお時間です。

レイヤーにはスライダー制御を2つ追加します。「点灯」「消灯」とリネーム。

全身全霊を込めた「すべて」をエクスプレッションエディターにぶち込みます。

レイヤーの不透明度に記述するエクスプレッション

JavaScript
var fps=1/thisComp.frameDuration;
var keyNum=0;
var onFrames =effect("点灯")(1);
var offFrames=effect("消灯")(1);
for(var i=1;i<=marker.numKeys;i++){
		if(marker.key(i).time<=time){
			keyNum++;
		}
}

var blinkOn=(keyNum%2==0);

if(blinkOn){
		if (onFrames<1){
				onFrames=1;
		}
		if (offFrames<1){
				offFrames=1;
		}

		var frame=Math.floor(time*fps);
		var cycle=onFrames+offFrames;
		if((frame%cycle)<onFrames){
				value
		}else{
				0;
		}
}else{
		value;
}

新しい部分は少しだけです。3,4行目でスライダー制御の値を取り込みます。

14~19行目、スライダーが0だと点滅しないので、点滅ON中は最低でも1フレーム刻みで点滅するように保証しておきます。

22行目で点灯フレーム、消灯フレームを1サイクルとしてcycleにぶち込み、23行目の判定で「進行フレームをサイクルで割った余りが点灯時間未満なら」valueで点灯、そうでなければ不透明度0で消灯にします。点灯フレームと消灯フレームを合わせたサイクル時間内で点灯フレームを過ぎたのであれば、消灯フレームと判断しました。

こうしてスクリプトを1行ずつ読んでみてください。そして真似して触ってみてください。コンピューターが言われたことしかできないことがわかると思います。ただし、言われたことは正確に素早く行うという激烈なメリットが、我々のクリエイティブを妨げないのです。

多くの場合、クリエイティブを妨げているのは人間側のアウトプット力です。あなたの指示というアウトプットが足りているなら、インプットされたコンピューターは脅威のスピードで処理して成果物をアウトプットしてきます。望んだ成果物が手に入っていない場合は、コンピューターの能力に追いついていないのでオーバースペックです。悪く言えば使われているのでしょう。人工知能も、After Effectsも、ツールは使う側にいたいものですね。プログラムが指示を待つように作られているのなら、発火させるのはあなたなのですから。

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