撮影ワークフロー

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カメラ周辺機器つづき

カメラを安定させるための脚。基本ではあるが土台であり、改めて知識を固めておきたい。

三脚

カメラを固定できる3本の足を持った機材。支えられる重量によってランクがある。重いほど揺れず安定する。剛性やしなり、たわみが起こらないかどうかも大変重要。

脚の部分はカメラと後述の「雲台(カメラを乗せる部分)」を丸ごと支える重要なパーツだ。

より小さく畳めるものを「トラベル三脚」と云う。畳める段数が多く短くできたり、雲台側に反転して折りたたむことでコンパクトにできる。

特に重量はカメラを安定させる最重要な要素であるため、軽いものは撮影時のデメリットになり得、重いものは筋肉へのデメリットになり得る。

重いものはよく「ヘビーデューティ(heavy-duty)」の記載がある。

安定性:重量

カメラを安定させるためには、とにかく重いほどいい。地面からの振動、風による影響、パン、ティルトによるブレを重さが吸収する。カメラが重ければ三脚ごと押さえつけることにはなるのだが、三脚よりも機材が重い場合、バランスが悪く頭が振れやすい。荷重を下に置き、頭のカメラが三脚に支えられている状態が好ましい。

重量だけを考えれば、持ち運べる一番重いものが撮影に適していると言える。撮影場所までの移動以外にも、撮影中の位置調整にも負担となるため、購入には細かくシミュレーションしよう。軽いものと重いもの両方所有し撮影によって使い分けるといい。

安定性:材質

アルミ製は安く、重く、安定する。錆びる。外気温により高温、低温になる。衝撃には強いが柔らかい金属であるため一点に衝撃が集中した場合凹みになる。

カーボンファイバー製は高価で、軽く、安定しない代わりに振動を減衰する特性がある。錆びない。外気温による影響を受けにくい。衝撃には強いが硬いプラスチックであるため一点に衝撃が集中した場合割れる。また耐荷重に近づくほど振動減衰性が途端に悪くなる特性がある。

材質アルミカーボン
安定性高し振動減衰性
価格安し高し
重量重し軽し
硬さ粘り強し硬し
温度変化激しきしにくき

重いものを軽くすることはできないが、軽いことで揺れる場合には重りを足せば良い。下向きに「エンドフック」がついていれば、そこに荷物を引っ掛けることで撮影時の重量を増すことができる。手持ちのバッグや、砂を入れる重り用の「サンドバッグ」、荷物も置ける「ストーンバッグ」にペットボトル、交換用レンズなどを載せて使う。注意点は荷物分だけ風を受ける面積が増えるため、強風時には荷物が揺れることで三脚が揺れる可能性がある。

ストーンバッグは3つの脚にマジックテープで固定できるタイプも有り、エンドフックがなくとも増設できる。

安定性/サイズ:脚の径

もちろん太いほど安定し、かさばる。

サイズ:高さ/低さ

縮められる段数によって持ち運びサイズが変わる。収納にはどれだけコンパクトに畳めるか、が重要であるが、撮影映像にはほぼ関係がない。どれだけ高い位置での撮影が可能なのか、またはどこまで低い位置にカメラを保持できるのか、が最重要項目であろう。

通常はアイレベルまで伸ばせれば多くのケースで問題ないだろう。イベントやライブ撮影では、手前の観客が遮蔽物となるため、その上から撮影できる200cm以上伸ばせるものが必要となる場合がある。リアルタイムにカメラの操作も必要な場合は踏み台がないとカメラに手が届かない上背面モニターが見えないことに繋がる。この場合はリモート操作ができる仕組みを用意するか、もちろん許可を取った上で三脚ごと載せるお立ち台を準備できればいい。落下の危険と隣り合わせであるため、耐荷重や安定性を考えられた専用の「イントレ」と云う組み立て式の仮設足場もある。

高さに対して低さも重要だ。脚を開ける角度と脚自体の長さに依存し、ローポジション撮影ができないかもしれない。こちらもローポジション撮影が見込まれるのであれば対応しているかスペックを良く確認。

ローポジション時には後述するセンターポールが邪魔になる可能性がある。

サイズ:広さ

高くする、ということはその分3本の脚が開くためのスペースも必要となる。高さを稼いだ上で脚を窮屈に狭めれば、安定性が犠牲になる。また、撮影時にはさらにその横に自身が立つため、アイレベルでは1m四方は占有することになる。撮影スペースが確保できなければ撮影プランを変えなくてはならない。手持ちの機材の何が撮影時に影響を受けるのか把握しておくこと。

サイズ:段数

何段畳める仕様かは、収納時のサイズと撮影時の安定性に関係してくる。段数が多い場合は小さく畳めるが、1段ごとに脚が細くなるため安定性が劣っていく傾向にある。そのため全伸ばしの必要がない高さの場合は太い上の段から伸ばし、細い一番下の段は畳んで使うと良い。一番下の段はさらに高さが必要な場合に最後に伸ばし始める。

操作性:脚の伸縮方式

水平な場所であれば3本とも同じ長さだけ伸ばしてやれば良い。斜面地や階段であればカメラが水平になるように伸ばし具合を調整するため難易度が上がる。また、カメラはレンズ側に重心が傾くことが多いため、レンズ側に1本、背中側に2本が開く向きで設置する。逆にすると前に倒れてしまうことがある。前に倒れるということは、レンズが勢いよく地面にキスをするわけだ。気をつけな。

足を伸ばす際のロック方式が「レバー式」と「ナット式」に分かれる。レバー式は開閉するのでロック状態が視認しやすい。反面、経年劣化で緩んだ場合も締め付ける強さを増せない。ナット式は突っ張り棒のように脚自体を捻るのでロック状態が視認しづらい。反面、力いっぱい締められる。好みで選ぶ。

近年は脚の伸縮ロックを素早く行える「クイックロック式」が開発されている。ナット式の回転角度を抑えたもの、レバー式の2段目と3段目の締め付けが脚1本ごとに1箇所で行えるものがある。ただ機構が複雑なのか、緩んでくる製品もありまだ発展途上の印象。ただし、おそらく実用上問題にはならないレベルに来ている。

操作性:センターポール

3つの脚の真ん中にセンターポール(Center Column)が刺さっている三脚であれば、これを伸長し高さを稼げる。ただし伸ばした分は支えが1本でありセンターポールを伸ばすほど安定性は落ちる。前述したように極端なローポジション時にこれが邪魔になってそれ以上低くできないことがある。短いタイプと入れ替えられたり、途中から取り外せたりとローポジションを考慮されている製品かも検討材料。

ものによっては、一度取り外し、逆向きに挿すことでカメラを三脚の足側に逆さにセットすることができる。雲台がカメラの上に来ることから、雲台の高さも障害にならず、カメラ上部が地面ギリギリの低い位置で撮影を行える。編集時に180°回してやればいい。

石突

三脚の地面と接するパーツ。いしづき。ノーマルタイプの金属をゴムで覆ったものと「スパイク石突」がある。両方備えスパイクを出し入れできるハイブリッドタイプと、スパイク石突に別パーツで被せる「ラバーフィート」もある。地面が多少なりともグリップする素材や傷をつけてはいけない素材であればゴム製を、岩や氷の上など「噛む」必要があり、傷をつけても大丈夫な場合はスパイクを使う。

白ホリスタジオなど、傷や汚れに厳しい接地面には保護膜として「ホリゾントペーパー」を挟むのがいいがお金がかかるため、これはできれば避けたいことではあるがタオルを挟んだり、スパイクに発泡スチロールなどを突き刺す方法がある。

スプレッダー

脚を内側から繋ぐY字のパーツ。三脚の脚を内側から支える支柱として揺れや捻じれを抑制する。取り外し可能な三脚と取り外せない三脚がある。別売りのタイプ違いとの交換が可能な場合がある。

ローエンドからハイエンド製品まで幅広く対応している、脚の中程にセットする「ミッドスプレッダー」と、一般的にハイエンド製品が対応する、石突の高さにセットする「グランドスプレッダー」がある。スチル用三脚においてはパン撮影などRec中以外に捻れることが問題になりづらいため省略されている。

締めれば中から脚の開く角度を固定する。脚の開き具合に合わせて多少伸縮できる。三脚の開き具合を調整する際にはネジを緩め、撮影時に安定させるには忘れずに固定する。面倒ではあるため、スプレッダーの力がなくとも十分安定する場合はスプレッダー自体を外したり緩めたまま運用するケースもナシではないと考える。

グランドスプレッダー

グランドスプレッダーは脚の先である石突の位置を固定することから一般的にミッドスプレッダーに比べ安定する。より開いた先っちょに接続するためミッドスプレッダーより大きい。整地された平面ではベタッと全体が荷重を受けるため、石突3点で支えるより安定性が上がる。設置する面に段差があると出っ張りに荷重が集中するため不向き。

足で踏んで押さえることもできる。地面の出っ張りが邪魔で外さないといけないケースが有る。

また、内側に脚を引っ張る仕組みであるため、脚を開いてローアングル撮影をする際にカメラの重みでべシャッと潰れることを防げる。

グランドスプレッダーのみを別売り展開していることもあり、必要に応じて買い足せる。ハイエンド製品に多いため、特定三脚の専用設計であることも多く、接続できる対応製品か確認の上購入する。

ミッドスプレッダー

安定性自体はグランドスプレッダーに譲るが、石突3点で支えるため、段差があっても付けたまま使える。階段など脚の長さが揃っていなくとも対応可能と生きるシチュエーションが多いため、グランドスプレッダーよりこちらを備えた製品の方が多い。

通常、グランドスプレッダーに比べ伸長性がなく、これを付けたままローアングル撮影をする用途は考慮されていない。この場合取り外せる製品がある。

グリップ

手で脚を掴むための持ち運び用のグリップ部として、または撮影中に手で荷重を増したい場合にあると便利なことがある。スポンジやゴムなどのグリップ部分が初めから備え付けられているか、脚に巻きつけられる後付のグリップもある。

左手で脚の一本を握って安定性を増すことがあるが、手の揺れが伝わらないように注意。手袋でもいいが身近なカメラオペレーターの多くは素手が一番操作精度が高いとのことで、嫌うだろう。副次的なメリットとしてはアルミ製の脚の場合、高温時のやけど、低温時の手への張り付きを予防できる。

脚にタオルをゴムで巻き付けるなどでも代用できるが、分厚くなると収納に支障をきたす場合がある。

本来三脚はカメラを固定し、安定させるのが目的であるため、運搬時のグリップと捉え撮影中にはパイプ部分に触れないで済むのであれば、それが一番好ましい。

メンテナンス

石突の土やホコリが固まるとガタつくため、マメに拭き取りたい。

ネジは締まっているか?

どれだけ上記のパーツ構成が素晴らしくとも、各パーツのネジがきつく締まっていないだけで安定性は一気に崩壊する。「電源は挿さっていますか?」レベルのミスではあるが、あくまでネジで締めているだけであり振動や劣化によって緩むことはあるため、メンテナンスや撮影中でも定期的な性能チェックは行おう。

雲台

カメラと前述した三脚の間にある、カメラを直接接続するパーツ。パン棒が付いてるやつ。三脚との接続はカメラ下部の1/4インチのネジより一回り太い3/8インチのネジが一般的。雲台にはカメラを回転させる際に掴む「パン棒」が伸びており、パン、ティルトができる。スチル用と動画用がある。

スチル用はシャッターを切る一瞬に固定できていれば良いため固定はできるが滑らかに回転できる必要がない。対して動画用はパン、ティルトが滑らかに行える。回転部にグリスが塗ってあり、適度な抵抗があり滑らかに回転するのが動画用。「オイルフリュード雲台」と云う。

通常、フネが前後にスライドできる仕様になっており、前後の重心を中央に調整できる。ただし、重いレンズを使用するなど極端にバランスが偏っている場合、バランス調整のためのフネの長さが足りずにスライドしきれないことがある。その際は別売りのロングタイプのフネを用意したり、後述のチーズプレートをフネとカメラの接続に使い、フネからはみ出すように固定したり、レンズを直接雲台に固定できる「三脚座」と云う支援パーツが検討できる。重量級のレンズには三脚座がデフォルトで付属していることがある。これはボディよりもレンズの方が重いというケースではレンズの中程が重心となるためで、三脚座を雲台に固定し、ボディはマウントで支え宙ぶらりんにして使用する。

パン棒は根本でピッチ角度を調整できる。

カメラを縦撮影用にロール回転ができる雲台や回転用のオプションパーツもある。必要に応じて。

雲台は価格が上がるほど耐荷重、操作性が上がっていく。

スペックが上がるほど…

  • パン、ティルトのトルクを調整できる。
  • 雲台下に「ハーフボール」と云う球体パーツがあり、水平出しができる。
  • 「カウンターバランス」が効く。

パン、ティルトはスムーズに動き出し、加速し、減速してスムーズに止める。ほとんどの雲台は動き終わりでパン棒を離した際、逆方向に戻る「おつり」がくるため、これを考慮した力加減を訓練しておこう。どれだけのハイエンド製品でもゼロにはならない。

パン棒を輪ゴム、ヘアゴムで引っ張ることで、適度な抵抗を得られ、スピードを多少一定に保ってくれる。

自身の関節の可動域やパン棒を支える姿勢によっても動かしやすさが変わるため、パン棒の長さ、角度、握り方をいろいろと研究しよう。撮影された映像がクオリティの全てであり、操作方法に法律はない。筋肉の付き方、各関節の長さ、可動域、様々な要因で適したフォームが変わる。パン棒を上向きにする、下向きにする、指でつまむ、手のひらの中央で支える、順手で握る、逆手で握る。動きによって最適な映像となるよう試してみるといい。

トルク調整

パン、ティルトのトルク調整機構があれば、回転スピード、機材の重量に合わせて調整すると、適切な操作が可能になる。トルクが軽すぎると素早い回転が可能な反面、操作時に手の揺れが伝わる。

大抵ロック機能を兼ねており、最大まで締めることをパン、ティルトの固定とする。

パン側は水平さえ取れていれば勝手に動くことはないはずだが、レンズや外部バッテリーによって重心が大きく前後に傾いている場合、ティルトが勝手に動くことになる。重心の調整は、フネを前気味、後ろ気味に三脚に固定するか、長さが足りない場合は長いタイプのフネ「ダブテールプレート」を使用する。

ダブテールプレートは長いベースプレートで、クイックリリースとして三脚と噛み合う規格であれば付属のフネと入れ替えていい。噛み合わない場合はフネに固定してしまい、雲台からのリリースはフネごと行う。長さが足りていれば、これを前後にスライドすることで機材の重心を雲台の中央に合わせたセッティングが出来る。これは次項のカウンターバランスにも影響が大きい。雲台にカウンターバランスの調整機能がない場合、トルクを代替機能として使用する。この場合はティルトはできるが、手を離すと止まるという程度にキツく締め付けて使う。

カウンターバランス

カメラを乗せた場合にティルト方向の力に反発する機構が入っていれば、ティルト後に固定しなくともその角度を保とうとする「カウンターバランス」が効く。カメラ重量とカウンターバランスが合うものを選ぶ。ティルト回転時に手を離した際、カメラが重すぎればカウンターバランスが効かず頷いてしまい、カウンターバランスが強すぎれば常に水平に戻ろうと跳ね返ってきてしまう。適切に調整できれば、ティルトのトルクをほぼ掛けていないユルユル状態でもティルト角を保てる。

カウンターバランスは「55mmの重心高で最大8kgまで」のように固定の条件を持つ雲台や、強さを調整できる雲台がある。この場合は段階的に切り替えられる「段階式」と、油圧シリンダーで無段階に切り替えられる「完全バランス式」がある。

カウンターバランス調整機能を備える三脚は比較的高価である。また「長期保管時は水平に戻しておかないと内部の機構に負担がかかる」や、合わせて「トルクも緩めておくほうがいい」など、製品によって保管方法が決められているため説明書読もう。

水平出し

カメラアングルの回で後述するが、映像が水平でない場合、特別な意図が生まれたり違和感に繋がったりする。動きが大きければ酔う可能性もある。

地面が水平であれば、脚を全て同じだけ伸ばし、同じ角度開けば水平になるはずだ。徹底しよう。ただし異物を踏んでしまったり段差のある場所での設置時、脚の伸ばし具合だけで水平を出すことは難しい。

カメラ自体が水平になるよう調整しないと、動きがないなら最悪編集ソフトで回転させてやれば良いが、パン、ティルトに角度が付いた場合は視点が斜めに移動することになり補正が難しい。特にモーションブラーの補正は無理。撮影時に水平だけはしっかり出すこと。

雲台の下部にハーフボールなど、カメラを載せた後でもティルト、ロール調整で水平にできる機構がある。

パン棒の調節

パン棒がL字に曲がっている場合、回転させることで角度を変えられる。関節が付いているタイプは折る角度を変え、操作しやすく効率よく支えられる角度を探す。カメラの位置や角度、自身の立ち位置に合わせ毎ショット確認する。

パン棒の長さを調節できる場合がある。また、パン棒を取り外し、左右入れ替え可能な場合もある。必要に応じて。

レベリングベース

三脚と雲台の間に挟み込む水平出し用のパーツ。雲台にハーフボールがないなど水平を出す機構がない場合これで後付できる。

自由雲台

ボール状の関節がある雲台。三脚用の雲台から、パン棒とロール方向の水平ロック機構を省いたものと捉えると解りやすい。ロール方向にも回転できることで軸のボールが「自由」に回転する雲台。人間の首のような動きを可能とする。

水平をスピーディーに合わせにくい点と、1回転方向への滑らかなパン、ティルト操作をほぼ不可能とすることがデメリットであり、ロール回転ができる点がメリットである。耐荷重さえ許せば、カメラの固定的な保持においては三脚用の雲台と同等の性能であるため、役割の違いを知っておく。

耐荷重に注意しカメラの保持に使用したり、照明やモニターなど小型機材の他、あらゆるものの固定に使用されている。

プーリー

特機ではあるが三脚関連としてここにまとめる。

三脚に履かせて使うスプレッダータイプの車輪。三脚にキャスターを取り付けると捉えて良い。カメラ自体がスライドする撮影をドリーと云うが、これを簡易的に行える特殊機材である。大掛かりでいいなら台車とレールを使う古典的な方法があり、レール上のみの移動制限があるが、こちらはどこまでもドリーできる。揺れのない映像のためにはフローリングなど整地された地面でのみ使える。砂利道などはゴムマットや板を敷けばいいが、小さな機材で手軽にドリー撮影というプーリーの利点を殺すことになる。

一脚

脚が1本。省スペースでカメラ荷重を支えられる。安定性は三脚に劣るが使い方を見極めれば戦えるシチュエーションはある。荷物を減らしたいとき、ロケ、ウェディングなど大人数の会場での移動が激しく省スペースでの撮影時などに便利。

倒れないように左手は脚をグリップすることが多いだろう。荷物を最小限にしようとカメラを直付けする場合はティルトができないため、通常は雲台と組み合わせる。近年の軽量な動画機であれば使えるケースが増えた。パンとフォーカシングやズーミングを同時に行う場合はレンズをグリップし荷重を下に掛けることで安定させることになる。ただしフォーカシング、ズーミング時にはまぁ多少揺れるだろう。

一脚用の雲台としては動画用の雲台を流用したり、一脚用として展開されている雲台、または荷物を減らす利点を若干殺すが後述するジンバルとの組み合わせが考えられる。

ジンバルのメリットとしては、ジンバル不使用時には接地部分は地面で固定できるが、前後左右には揺れる。正確には石突を軸としてふらつくことでの回転揺れ。前後はティルト操作で相殺できるが、左右はロール揺れに繋がり、相殺が難しい。このロール回転を含めた揺れをジンバルが相殺できる。

また、三脚より軽量である点を生かし、一脚の下部を手で持ち上げることで高さを稼ぎ、疑似ドローン撮影をしたり、または照明を取り付けたりとアイディア次第で活用範囲は広いため、一脚が最適解なのか、多少無理しても三脚を持っていくのかシチュエーションをしっかりと検討する。

次回はリグと特殊機材

撮影機材の機能を拡張するリグがある。基本的にはカメラを含む機材にネジなりクランプなりで固定し、モニターなど不足する機能を周辺機器で拡張させるのである。このリギングに必要なリグの種類や役割についてと、特機について確認していく。

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