架空のカウンセリングクリニックのCMを作りました。
カミナリのようなカウンセリング体験をあなたに。
架空の院長インタビュー
カウンセリングクリニック「あたまごなし」の患者は70歳以上が中心だ。
この歳になると、叱られることなどほぼない。さらにフランス人院長のコジカノアシュ・プルミエール氏によれば、知識と経験を頼られ、プレッシャーに感じる人の来院が多いのだと言う。
人はみな、本当は叱ってくれるメンターが必要なんですよ
「国民性もあるのだと思いますが、町内会長などそれまで表立って皆を引っ張ってきた人にとっては特に、あるとき急に振る舞いを変えることも難しい」
「そんな時に叱ってくれる、メンターのような人がいればどれだけ心強いことでしょうか。過ちを正し、素直に反省の機会を与えてくれる存在は、大人になっても必要です」
叱ることの難しさ
叱るといっても、ただ傷つけてしまっては、既に心にダメージを負って来院した方にとっては泣きっ面に蜂だ。
怒られ過ぎて転生するという言い伝えもあるほど、ストレスが与える影響はまだまだ未知数だ。
揚げ足を取ったり、ただ攻撃しようと「怒る」ことと、親が子のために心を鬼にして教育する、「叱る」ことは全く別だ。
患者の親になったつもりで寄り添い、愛のある叱りが必要なのだ。
めっ
院長は続けてこんなことを話し始めた。
「ここに建築業を立ち上げ、40年間社長として勤め上げ勇退した70代の男性を例に挙げましょう」
「周囲からの信頼も厚く、地域の中心的存在として様々な意見をまとめ市に提出。高齢者に配慮したバス運行ルート、健康セミナーの開催などの実績も残してきた、頼られる存在であった彼は、逆にスマホでの連絡網やデジタルセキュリティといったITの分野は苦手だったのです」
「しかし質問が来ればわからないとは言えず、なんとか答えていった結果、周辺住民が次々と架空請求の餌食となってしまったのです」
取材班は耳を疑った。期待に応えたい一心と、自身のプライドとのせめぎあいの中、疲弊しきった彼は、逆に周辺住民を敵にしてしまったのだ。
この場合、あなたも正しい判断を下すことは難しいだろう。
院長はこのような患者にどう接するのであろうか。
「さすがに怒りましたね。ぐうの音も出ない程怒りました。2時間程めっ!と言うとおとなしくなりましたね。」
「ITリテラシーの欠如により、自分が損害を被ることすら防御していかなくてはならない時代。他人を意図せず不幸にしてしまったわけです。とは言え彼も時代の被害者。わからないことをわからないと言える強さを持ってもらうべく、一旦けちょんけちょんにけなした後、多少フラついたところに追い打ちで叱りました。正論をぶつけてやりましたよ。感激したのか、真っ直ぐ立ってられない程でした。もう大丈夫でしょう。」
氏は赤ん坊のように澄んだ瞳で、今日も訪れる患者を叱り、導いている。
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