架空の発酵食品ショップの音声ドラマを作りました。
元ネタ→【あったらヤなCM】124_発酵食品ショップ_きんまみれ本店
このお店、なんか居心地いいんだよね、ねとっとして♪
イートインでねちゃねちゃのコーヒーを飲み干し、店内を見回る二人の女性。
糸美「わぁ、珍しい発酵食品がたくさんあるね。」
ねと子「あっねぇねぇ、ほらこの商品、持ち上げるとこ見てて。」
糸美「待って、動画回す…。いいよ。」
んねったぁぁ
陳列棚の下や奥にある商品は狙い目だ。比較的滞在時間が長く、菌たちが元気に仕事をしている様子を感じることができる。
こうした糸は、”繋がり”を感じ縁起が良いとも、積み重なる”刻”を感じられるとも、若い女性を中心にSNSで人気だ。
ねと子「糸美って、まさに菌みたいな名前でいいよね。両親に感謝だね。」
糸美「ねと子だって要素入ってるじゃない」
ねと子「ほんとだ!気づかなかった、鳥肌立っちゃった!あっ糸引いちゃった!」
糸美「根っからね、そういうとこ、菌に似てるよね」
ねと子「い・と・みぃ~」
にちゃっと笑う二人。
ねと子「その髪型もやっぱり似合うね。」
糸美が午前中に当てたてのパーマは、菌の糸が織りなす軌跡と酷似しており、二人の様子を見ていた店主も微笑むほどだ。
一歩ごとに靴底から伸びる糸を引きちぎりながらなんとか会計に向かう二人。
店主「その髪型、スパイダーマンの手から出るやつみたいでいいですね!」
思わず声をかけてしまった店主の口元からは、かすかに糸のようなものが煌めいている。
ねとっ、「菌が1点…」、ねとっ「菌が2点…」
バーコードのスキャン時に出る電子音は菌を驚かせてしまうため、スピーカーには納豆を搭載して防音している。
店主「よかったらこれ、サービスでお付けしますよ。」
糸美「なんですか?これ。」
店主「余ったねばねばです。お二人を見てたら、なんだか元気をもらったんで。」
二人「えっいいんですか?」
店主「えぇ、菌の切れ端は売り物になりませんから。」
ねと子「中身は一緒なのに、もったいないですよね。」
糸美「あっ、この2つは包んでもらえますか?」
店主「こちらの2点ですね、包は2種類から選べますが?」
糸美「めためたの方で。」
味噌とチーズは納豆で包んでもらうことに。
店主「では、お出口までお持ちします。」
アパレルショップに憧れのある店主が出口で商品を渡し、見送る。
二人「また来ますね!」
粘り強いお辞儀で、長時間滞在したことで発酵し始めている二人を送り出すと、静かになった店内には、再びねっちゃりとした時間が流れる。
店主は心の菌をかき混ぜ、厨房に戻る。



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