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【あったらヤなCM】021_アニメ番宣「転生したらば左手がLv.100だった件-右利き編-」

架空の新作アニメの番宣を作りました。

架空のあらすじ

新米営業マンの肥細 瀕死郎(こえほそ ひんしろう)は、癖の万引きで怒られすぎて死んだと思われた次の瞬間、異世界の森にて目を覚ます。見慣れぬネコのような動物に誘われるように1km程歩いたその時だった。

「どうもさっきから左側の木に良くぶつかるなぁ」

ふと視界に入る自らの左腕、瀕死郎は目を疑った。大事にしていた腕時計がないのだ。それに左手が腫れているようだった。

瀕死郎は落胆し、声を上げて泣いた。か細い声だった。

仕方ない、また盗めば良いのだと決意を新たにしたその時…。目の前に現れる熊のような獣。またたく間に瀕死郎に覆いかぶさり、今にも噛みつかんとする勢いだった。

自分が尻もちをついていると気づいたときには、獣はその口を大きく開いていた。必死に抵抗する瀕死郎。

振り回す腕が空を切る。かろうじて右の手のひらが熊の頬を撫でるが、ものともせず逆にその右手に噛みつかんとする勢いだ。

「右手が噛まれてしまう…!」瞬時に手を引く。(噛まれては嫌だからだ。)

左手でなんとかその巨体を押し返し、這って逃げようとする瀕死郎。

追いつく獣。

「追いつかれた…!」そう思い振り返った瀕死郎の目に飛び込んできたのは、鋭い牙だった(目でも、爪でもなかったのだ)。熊のような獣は今にも噛みつかんとする勢いだった。

瀕死郎は考える。

左手で獣を押しのけ、頭をフル回転させた。ようやく冷静さを取り戻し、生きるためにその場の状況を瞬時に分析し始める。脳細胞全体が一気に熱を帯びる。獣は今にも噛みつかんとする勢いで突進してくるが、今度は全てがスローだ。その時の集中力は癖の万引きで培われた、アスリートで言う「ゾーン」そのものだった。

相手は獣。腹が減っているのか執拗に噛みつかんとする勢いを緩めようとしない。その牙が到達するまでには、およそ1秒…!

素手では到底太刀打ちできない。何か武器になるものはないか。足元には枝、小石、落ち葉。獣なら火は怖かろう、だが火を起こす時間などない…。0.4秒…石を投げつけようか、いやこんなに小さな石では一瞬でもひるませることすらできない。獣は右肩に噛みつかんとする勢いだ、…0.9秒…!もういくばくかの猶予もない…!

もう枝を振り回し、せめて面倒な相手だと思わせ諦めさせる他ない…!…1.3秒…!よし、枝だ!瀕死郎は右肩に噛み付いた獣を左手で大きく突き飛ばし、枝に手を伸ばした…!恐怖から足腰に力<りき>が入らない…!

…が、仰向けに倒れた獣は起き上がる気配はない。

舌は口からだらしなく垂れ下がり、先程まであれほど激しく動いていたにも関わらず、その獣からはわずかな息づかいも聞こえない。

「…やったのか…?まさかこの左手…ッ!?」

一連の出来事を思い出すと、どうやら左手がLv.100であることは容易に想像できた。癖の万引きで培った勘もそう告げている。

安堵とともに噛まれた右肩に痛みが襲い始める。だが幸い傷は軒並み急所を外れている。

「どうやら2度死ぬなんて馬鹿げた人生<ストーリー>は演じずに済んだようだぜ…。見たところ違う世界のようだが、利き手ではない手<レフトハンド>が切り札か。上等だぜ、せっかく助かった命、新しい人生を生き抜いてみせる!万引きからも”足”を洗うか…盗みは”手”で行っていたがね」

誰も居ない森の中<ロンリーフォレスト>でウィットに富んだそこそこの長台詞を決めた瀕死郎、著しく筋肥大<バルクアップ>した左手を武器<マシンガン>に、この先一体どんな冒険が待ち受けているのか?

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