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ショットのサイズによる種類
カメラと被写体の位置、レンズの画角の組み合わせにより、「ショットのサイズ」に種類があり、それぞれに役割があるため、撮影時におけるカメラ位置の制限を考慮すると同時に表現したいストーリーからショットのサイズ、フレーミングを決定する。まずはショットサイズから。
※これらはショットサイズの呼称のため、焦点距離は関係ない。広角レンズ、望遠レンズの決まりはない。あくまで被写体までの距離と焦点距離の組み合わせにより判別する方法だ。そして、厳密に範囲が定義されているわけではなく、制作チーム内でサイズを指定する際のコミュニケーションコスト削減としてある程度呼称で分けているに過ぎない。正しい名前を覚えて欲しいのではなく、ショットのサイズ、フレーミングによって何を伝えるものなのか、役割を大雑把に知るための記事であることを念頭に置いて欲しい。
エクストリームワイドショット/ワイドショット(Extreme Wide Shot / Wide Shot)
広い範囲を撮影したものであり、被写体が遠い場合や、広角レンズで撮影するとこれになる。人物よりも風景をメインとし、舞台設定の説明に使われる。呼称の境目はグラデーションとなり、ワイドショットはロングショット(Long Shot)とも、風景だけでなく人物のほぼ全身を捉えていれば次項のフルショットとも呼ばれる。つまりエクストリームロングショット/ロングショット(Extreme Long Shot / Wide Shot)とも。
被写体からとにかく離れて撮影する。被写体そのものより、周辺の風景を映す。
筆者としては、広い範囲を捉えるものをワイドショット、被写体と距離が離れたものをロングショットといったニュアンスがあるため、使い分ける場合もあるが、明確なルールに則っているわけではない。ショットの呼称は明確な区切りがなく、あくまでチーム内での意思疎通に使用するため、コミュニケーションがスムーズにいくのであれば厳格なルールではないのが実情である。
後述するエスタブリッシングショットと異なり、サイズ感の把握に役立てたり、背景を広く捉えることで被写体と世界との繋がりが表現できる。シーンをワイドショットで終われば、孤独感を感じさせる。サイズ感によっては人物の判別ができなかったり、表情が読み取れなくなることが多いが、ワイドショット以上の広い画では、役割としてその必要はない。
EWSとWSの間にベリーワイドショット(Very Wide Shot)なる呼称もあるが、コミュニケーションにおいては「ワイドショット」で通じる場面が多いことから、当記事では省略する。

広角ショットは画作りの難易度が高い。こだわるならば作品内で最も予算が嵩むショットとなりやすい。なぜか。
映る範囲が広くなるということは、不要なものの排除が難しくなり、画面全体の照明のコントロール負荷が大きくなり、登場人物全員の演技に気を配らなくてはならないからである。録音も然りで、もしセリフも同時に収録するという少ないケースであれば、ガンマイクのオペレーターが隠れることが難しいため、マイクをカメラから見えない物体の影に隠したり、遠いのをいいことに堂々とピンマイクを使用して回避するなどの工夫が必要となる。録音の回で後述する。
また、呼称は比較的文字数があるため、撮影資料などではいちいち正式名称で記述するより、それぞれアルファベットでの略記が使われることも多く、エクストリームワイドショット→EWSや、クローズアップ→CUなど共通言語として使用できる。逆にもらった資料が理解できるよう覚えておこう。
フルショット(Full Shot)
人物の頭から足まで収めたサイズで、被写体の服装や動きからそのキャラクター自体を解説する際に使用する。画角としてはワイドショットと呼ぶこともできる。人物が映っていなければワイドショット、ロングショットである。

これらはショットのサイズの呼称であり、レンズのmm数、被写体との距離は関係ない。従って、ショットサイズのみを決めることはまずなく、カメラマンとしてショットサイズのみの指示があった場合、焦点距離、被写体との距離の決定権が自身になければ監督に確認しなくてはならない。

上記の例では1枚目が28mm、2枚目が90mmと広角レンズと望遠レンズの違いはあるが、カメラの距離を調整することで被写体のサイズが同程度になっており、どちらもフルショットとなる。
ミディアムフルショット(Medium Full Shot)
人物の頭から膝までを収めたサイズで、腰またはオブジェクトを手に持ったポージングを主題にする際に使用する。別名ミディアムワイドショット、ミディアムロングショット。

フルショットとミディアムショットの間であり、このどちらかで呼称することも多い。
ミディアムショット(Medium Shot)
頭から腰の下あたりまでを収めたサイズで、上半身が映るサイズを指定する際に使う。人の視界に近い標準レンズで捉えることが多く、意図しない意味を持たせることなく人物を表示できる自然なショットであるためである。別名ミディアムショット。

このあたりから被写体のパーソナルスペースに入り込み始める。
ミディアムクローズアップショット(Medium Close-Up Shot)
頭から胸までを収めたサイズで、映像作品で最も使用される。バストアップという言い方が有名か。顔に近づいた上で人物のポージングをフレーム内に残せるため、感情とアクションを同等の強さで表現する際に使用する。こちらも会話シーンで使いやすいだろう。

背景の大部分を画面外に追いやることができるため、このあたりから照明の自由度が上がる。
クローズアップショット(Close-Up Shot)
頭のみを収めたサイズで、表情から来る感情を劇的に表現できるサイズ。アイレベルを組み合わせると被写体と感情を共有させることができる。

瞳に映る反射光を「キャッチライト」と云うが、これの光源となるもののディテールが見え始めるため、場合により位置、数、形を整える必要が出る。
チョーカーショット(Choker Shot)
クローズアップの亜種といった位置で、おでことあごを切る程度に人物の顔をフレーム内に収めるショットにも名前はある。あるが。

名称を覚えることに躍起になる必要はない。現場では「顔のクローズアップ」で十分通じることだろう。
人物の感情に強くフォーカスすることができる。
エクストリームクローズアップショット(Extreme Close-Up Shot)
部位を画面全体に収めたサイズで、例えば瞳、耳、鼻、口など、顔のパーツを捉えれば五感のどれかに集中していることを伝えることができる。

また、衣服についた汚れや手のシワなど、ディテールを見せたい場合にも使用され、ストーリー上重要なものを強調する役割がある。
注意点としては、鏡面加工のアクセサリーやボタン類、瞳、メガネには、オブジェクトがそれなりに識別できるレベルで反射する可能性があるため、カメラマンや機材、または休憩用のコーヒーカップなど映っては困るものがないか、上記クローズアップにおけるキャッチライト以上にレンズの後ろにも気を配る必要がある。
ショットの役割による種類
それぞれのショットで伝える意味が異なるため、ストーリー上重要なものを一番伝えられる、最適なショットサイズを選択する必要がある。例えば意味もなくエクストリームクローズアップショットを使用すると、そこに映したものに視聴者が意図を感じようと混乱してしまう可能性があり、不要なものは映さない+必要なものは映した上できちんと視線誘導し視認させる、というルールを徹底することが映像のクオリティに直結する。そのためわずか数秒のカットにおいてもその何倍もの準備時間が必要な場合がある。
そしてショットのサイズではなく役割から、さらに2つの呼称がある。
エスタブリッシングショット(Establishing Shot)
主にシーンの冒頭でそのシーンの舞台や人物の位置関係などの状況説明をするショット。よってこれに限らないが基本ワイドなショットが多い。
・場所
・時間
・雰囲気(トーン)
を説明することで、世界観やシーンの雰囲気、登場人物の置かれた状況など、「そのシーンをどう見ればいいのか」視聴者の助けになる。
Establishは「確立する」こと。
ほとんどが広角レンズで風景を広く見せ周りの状況がわかりやすいよう撮影する。意図しないものの映り込みが酷い場合は、例えば店の看板を望遠レンズで撮影するなど、必ずしも広角レンズでなくとも、状況説明として舞台が確立できれば良い。確立できたのなら、それはエスタブリッシングショットである。
多くの映像作品のオープニング、またはシーンが変わった初めのショットと捉えて差し支えない。たまに手元のアップなどから始まることもあるが、状況説明をしているかどうかであり、例えば駅名表札や東京タワーの一部が写っていれば誰もが「東京にいるのだ」と理解できるため、エスタブリッシングショットと言えることがわかるだろう。あるいは、観客には「状況が把握できない登場人物に感情移入させるために、登場人物の目線で視聴させたい」といった場合なら、エスタブリッシングショットを敢えて使用せず、状況は明かさないという選択もあるはずだ。「説明不足」がその作品に必要かどうかである。
そして大切なことは映像作品はカットを繋いで作るということだ。ある建物を設定、紹介し、その後建物内での物語に遷移していくことを表現したい場合は、建物の外観に対しゆったりとしたズームインや、プッシュインが適していることだろう。ズームアウトやプルアウトでは、意識を引き離してからカットが建物内に入ることとなり、文脈がめちゃくちゃになる。
また、上記ワイドショットの項で触れた通り、広く映すほど、フレーム内に見えてはいけない機材の配置が制限を受ける。よってエスタブリッシングショットには予算がかかりがちだ。予算を捻出するか、時間をかけるか、何かを捨てるか…手持ちのリソース内でクオリティを最大限にするため、ちぎれない程度に頭を捻ろう。
エスタブリッシングショットを作るとき、あなたはプロ場面確立者になりきればいい。そのシーンで巻き起こるのはどんな世界での出来事であるかの情報を視覚で渡すのである。
マスターショット(Master Shot)
役割と用途がいくつかある。
- シーンの基準として/編集用のバックアップとして
- メインのショットとして
これらによってマスターショットの内容の考え方はこうなる。
全ての人物、美術、アクションを含めシーンの重要な出来事を丸ごと収録したショットであり、通常フル/ロングショットのフィックスで撮影される。
バラバラに撮影した素材を、編集時に順序どおりに並べるヒントとして活用できる。この場合はその後のカットをどう繋ぐかを決定づける、シーンの基準となるショットとして、さらに会話シーンにおけるイマジナリーライン(後述)の基点となるよう撮影する。
他の用途として、アップの画が使えない場合のカバーとして活かせる可能性がある。
そして最後に、全てのアクションを追いかけるようにワンショットで撮影し、マスターショットでありながらメインの素材として使う。大きくブレるなど撮影ミスの瞬間はこれまでと逆に、別撮りのクローズアップショットなどでカット切り替えし、救出できる。
つまり、マスターショットとは決してRecを分けてはいけないわけでも、カメラが移動してはいけないわけでもないが、これをするとバックアップがないというリスクが上がることが分かるだろう。
最後に紹介した「カメラワークを含むマスターショットをメインに使用し、別撮りしたクローズアップショットなどをインサート編集」する場合はムービングマスターショットなどと云う場合があるようだ。筆者はあまり名称で使い分けない。
特にイメージビデオやミュージックビデオなど、カットの繋がりが重視されない作品であれば、編集時の柔軟性を上げるためにマスターショットを複数撮影しておくのも良い選択となる。
撮影素材は多いに越したことはないものの、予算、撮影時間、疲労状況とを天秤にかけ、最適解は変わってくる。
フレーミング
ショットのサイズに加え、同時にそのシーンをどう切り取るかといった「フレーミング」を考える。どこに何を配置するか。色はどうするか。被写界深度は浅くするか深くするか。
フレーミングの決定は「被写体を映すこと」ではなく、物語を理解させるために、どの順序で何を見せる必要があるのか、画面内のどこに何を配置し、何を配置しないのか、どれだけの面積を占有するべきか、どこに視線を誘導するのか、正解となるパズルのピースを探す作業となる。最も必要なのは知識と決断力であり、これを実現するために撮影テクニックがある。
つまり、ある瞬間を一時停止した場合にはあくまで静止画としての評価しかできず、優れたショットかどうか論じるためのデータとしては不足している。映像作品として見た場合、前後関係、時間経過があることで、あくまで観客がその瞬間に受け取れる情報が、制作者として受け取らせたい情報と一致し続けているかどうかが優れているかどうかの基準となるべきである。筆者はこれこそが動く画か映像作品かを分ける境界と考える。チャットのアニメーションスタンプが人によってあらゆる文脈で活かされる(あるいは殺される)ように、映像は視聴されて完成される芸術作品だ。
ここで前記事カメラワークでも使った文句をもう一度言う。カメラは、観客の目そのものである。観客が世界を認識する覗き窓だ。観客をその場へ連れて来るのだ。フレーミングとは目で聞く監督の解説である。
観客からはスクリーンの外は何があっても見えない。見せたいものを画面上に表示し、見せたくないものは画面外に追いやる。そしてしかし、アクションによって映っていないものを存在(想像あるいは認識)させることまではできる。飛行機を準備できなくとも、画面外を見上げる人物と飛行機のエンジン音があればいい。
視点は何度切り替えても間違いではない。前後関係を含めその瞬間瞬間で何が一番重要なのかを選択し、ショットサイズとフレーミングを決定し繋いでいく。この項では、意図を伝えられるフレーミングを学ぶというより、意図しないフレーミングを避けることができるよう、知識を固めたいと思う。
バランス
人が美しい、落ち着いていると感じる配置にはルールが有る。生まれ持った美的感覚なのか、後天的に学習するものかは議論が分かれるところではあるが、そういったものが確かにある。代表的なものを記す。
見えないライン
空間をスクリーンのサイズに切り取ることで、枠が生まれ、配置にバランスを生む。現実世界を切り取る以上、多様なオブジェクトや模様が複雑に、そして相互にバランスへ影響を与える。「一般的に」、どこに重心となる被写体を置くと落ち着くパターンとなるかの目安として、簡略化したラインをガイドとして考える方法がある。同じ配置でも被写体のサイズ、彩度、明度、形状などにより受ける印象は変わるため、絶対的な配置ルールではなく、どこに重みを置くかを考えやすくする目安である。
構図と分割法
配置によって生まれる効果である構図と、構図を決めるための補助線としてフレームの分割法を考えると、バランスを検討する際に便利である。代表的なものを挙げるが、深堀りたい場合はその名前で検索するとさらに理解が深まるだろう。
日の丸構図
ど真ん中に被写体を配置するシンプルな構図を「日の丸構図」と云う。日本の国旗が語源だ。

左右に対象的な建物などで、重みを完全に中央に置く場合に最も安定する。シンプル故に面白みがなく感じるかもしれないが、何が主題であるかを混乱が少なく伝えられる基本である。
三分割法
水平、垂直にそれぞれ3分割するように等間隔に線を引くと、画面を9つに分けることができる。フレーム内で一番重要な被写体やオブジェクトをこの線に沿わせたり、交差点に配置すると、観客が画面内から情報を受け取るための混乱が少なくなる。「三分割法」と云う。

これは、立っている人物であれば縦の線、地面の境目であれば横の線といったように、被写体やオブジェクトが持つ方向が見えないラインとして浮き上がり、見る者にバランスを感じさせるためだ。
また、人は目からの刺激には無意識にガイドとなる線を想像し、簡略化し補完することで素早く情報を処理しようとする。半分隠れた文字も、実際には見えていないにも関わらず、読めるだろう。
この脳の便利な機能を利用することで、視線を誘導することもできる。
また、下記の三角構図と組み合わせることもできる。
レイルマン構図
垂直に均等に4分割し、さらに対角線を引く。これらの線に沿うように、または交わる点に被写体を配置する構図を「レイルマン構図」と云う。

三分割法より幾分中央のエリアが広く取られる。
ファイグリッド構図
ファイ=φ。スクリーンのタテとヨコを黄金律を加えた3分割である1:0.618:1に分割した構図。これらの線に沿うように、または交わる点に被写体を配置する構図を「ファイグリッド構図」と云う。三分割法より中央のエリアが狭くなる。

三分割法では落ち着きすぎており、ダイナミックさを加えたい場合に、広角レンズに変更したり、カメラを後ろに引くことで活用できる。
フィボナッチ構図
黄金比と近似するフィボナッチ数列を活用し、黄金比分小さな正方形と円弧を繰り返すことで描かれるフィボナッチ螺旋に合わせた構図。螺旋に沿うように、および収束する点に被写体を配置する構図を「フィボナッチ構図」と云う。

収束点のみに重みを持たせる構図もよく紹介されるが、これは実は黄金比に沿ったはずがなんとも言えない中途半端な位置に感じるため、螺旋を意識させるようなオブジェクトも同時に配置することをおすすめする。黄金比が美しいわけではなく、黄金比で形作られるものが美しいのである。
その他の構図
メインの被写体を任意の三角形に沿うように配置したり頂点に配置すると、安定感や方向性を与えることができる「三角構図」や、上下または左右に対象なバランスを取る「シンメトリー構図」、被写体をフレームに対し斜めに配置する「対角線構図」、ラインを1点に収束するように配置する「放射線構図」…と云う。




三角構図は正三角形でなくとも良い。中央に大きな三角形であれば、物体を下から見上げたときのように、根本が近く大きく、頂上が遠く小さくなる見えない矢印を想起させバランスを感じさせる。
また、三角形の頂点を上記の三分割法などと組み合わせ、配置をズラしたり、変形させることもできる。ラインとして収まりを与えたり、矢印として方向性を生み出したりできる。
シンメトリー構図は人工物が該当しやすいが、アクションを鏡合わせにシンクロさせればこれに限らない。また水たまりに映る夜景など上下でも良い。
対角線構図はフレームの対角線を意識した構図で、左上がりか右上がりとなる。上記画像は平面的な葉っぱを捉えたものだが、整列されたものや長さのあるものに角度を取り、消失点を画面外にすることで奥行きを与えた対角線構図も可能。
放射線構図は主に消失点に収束していくラインを用いることが多い。真上から捉えた交差点など平面的に放射線を作り出しても良い。
このようにバランスを取る目的で選択されるのが構図で、直線部分があるものだけではなく、被写体の形状や並びから重みのあるパーツを頂点に見立て簡略化した場合に形作るものを意識できるとイメージしやすくなる。
見えない矢印
閑話休題として、目に見えるオブジェクトの形状の他、形状が生み出す方向性も空間に重みを生じることから、スペース(後述するネガティブスペース)の配置にも影響が出てくる。
例えば我々が済む世界は直線的なデザインが多いことを利用すれば、長い道の向こう側に人物がいる場合。透視法によって消失点へ向かう複数のラインが生まれる。先の放射線構図である。この放射線の狭くなる方へ向かって強烈な矢印を感じないだろうか。
また、生き物であれば顔が向く方向や目線に、生き物でなければあらゆるオブジェクトには「正面」があるといったように、方向性を感じるはずである。矢印の先になんとなく、重みのようなものを感じるだろう。

また、普段から重力にさらされることで、物体には重心があることを我々は知っているため、ピラミッドのように質量に偏りのあるものは土台から頂上に向けて、ピサの斜塔のようにアンバランスなものは支点を軸に回転する向きに方向性を感じるはずである。これらも見えない矢印となる。
被写体が形作る方向性を活用し、フレーミングに適切な重み付けができる。
構図のバランスを可視化する手法
と、ここまで有名なバランスの取り方を挙げたが、多様な補助線のバリエーションがあることが分かるだろう。なんなら四分割法というものまで提唱されている。要は、何でもアリなのである。筆者はこれを大げさに俗称が広まったに過ぎないと考えている。一旦、フレーム内を簡略化したときにあなたがバランスが良く感じればいいわけで、「人がバランスがいいと感じるパターンにはこんな傾向があるのだ」、と学習するための公式と捉えて欲しい。そして簡略化した図形ではバランスが良く見えても、複雑な要素の絡み合う画になると崩れて見えることもあるだろう。
決して撮影素材をビッタリと上記に当てはめて調整するためのものではない。
これらの構図をどれだけ意識しても、現実世界では被写体が複雑な形状であることが多く、バランスが取れているか見失うことは多々ある。”ひとまず”、”仮に”、簡略化しよう。物体をすべて丸や三角、直線、曲線に置き換えて簡単な図にすることで格段に判断がしやすくなる。あくまで考え方を簡略化するための補助知識である。被写体によって必ず崩れるもので、崩すべき場合も十分多いだろう。
構図を覚えたら一旦捨てるべし
新しい知識には特に囚われやすいものである。こと構図というのは分かりやすい視覚情報であるため、上記含め「◯◯構図」という大げさな法則名を知ってすぐは全カットいずれかに当てはめることに躍起になって、似通った画が量産されてしまう可能性がある。静止画であれば完璧な構図を目指しやすいが、映像では被写体かカメラが動けば構図は崩れるものだ。一旦頭に入ったら、暗記し続ける必要はない。
スチルは緻密に作り込む。それこそ映像1作品と同じ気概で1フレームを作り込む職人芸だ。画面の隅から隅まで。スチルにはスチルなりの、ビデオにはビデオなりの正気の沙汰があるはずだ。映像では注目されない領域があるにも拘らず1/24秒の全ピクセルに魂を注いで如何程のクオリティに関わるか。
あなたの作ったその映像のカットを一時停止して構図を確認する者などそういない。明らかなアンバランスとそうでないバランスという大まかな判断ができるようになれば、自由にフレーミングしたい。動画は静止画ではない。本当に。まじで。前のカットから受け取り、次のカットへ繋げていくのだ。クオリティを左右する割合の多い部分にこそより多く心血を注ぐべきである。じゃないと完成前に死んじゃう。
構図に迷ったら
どうしても撮影時に判断に困る場合は、少し広角で撮影しておくと良い。編集時に縮小はできないが、拡大は可能だからである。AIでの背景生成を除く。この拡大&クロップによるフレーミングの調整を「リフレーミング」と云うが、大予算の映画でも行われる手法であり、プロフェッショナル達が最後まで作品のクオリティを本気で考える場合に有効と考えると、「撮影が全て。撮影時に完成品を目指す。」といった意識が如何に稚拙であるかを思い知らされる。もちろん、カメラの位置を変えないとグリッドに沿わない場合もあるため、リフレーミングの限界を知ることと、可能な限り撮影時に確信を持って判断できるに越したことはない。
インスタントには、バランスが悪く感じる構図に対して、定番の構図のどれかに当てはまりそうであれば、若干近づけてリフレームするというのが便利だろう。そして、視線誘導や重み付けが構図で解決できない場合は、グレーディングやアニメーションによって解決できる可能性もある。構図で全てを解決しようとする必要はない。
あなたが決めれば「フレーミングの選択肢は無限ではなくなる」
視線を誘導する見えない矢印、見えないラインによって、そのショットではどこを見れば良いのか、なにを伝えているのかをセリフ無しに観客へ教えることができる。先の展開を知らない観客に、正しく情報を伝えること、正しい道順を示すこと。これを考えれば、「表現方法自体は無限」だが、監督が伝えたいものを決めた瞬間に、「フレーミングの選択肢は無限ではなくなる」こともわかる。
バランスが良いとは、言い換えれば違和感がないことでもある。特に気を取られず流してしまう要素になる。良し悪しということではなくバランスが「取れている」と覚えるべきであり、「崩すか崩さないか」の葛藤があるべきである。
主題と背景
フレーム内で一番重要なオブジェクトである主題が映っている領域を「ポジティブスペース」、それ以外の領域を「ネガティブスペース」と云う。ポジティブスペースとネガティブスペースは上限面積の決まったフレーム内で面積をどれだけ占めるかであるため、割合で表せる。
対象的な配置は安定し、非対称な配置は力の偏りを生む。これらの割合や配置によって、そのショットにおける安定性や重力が働く位置、力の方向性といった総合的なバランスを設定する。決まるものであるし、決めるものだ。ある程度のルールによって決まり、人の脳が情報をどう処理するか理解を深めることで、決めることができる。

デザインではスクリーン上のスペース全てに意味があり、ただの空白に見えてもそれは必要な空白であり、「なにもないスペース」ではないわけである。白いテーブルの一部に大きな空白と共にコーヒーカップがあるのと、カップを画面いっぱいに切り取ったものでは、どちらがミニマリズムを感じるだろうか。背景と一言で表現することが多いが、スクリーンという額縁で切り取る場合、それは意味、役割を持っている重要な要素となる。
映像はなぜかジャパニーズマンガのようにカットごとに自由なスクリーンサイズを使わない暗黙のルールが有る。もちろん別に破っても良いはずだ。実写においてもマンガアニメーションのように縦長のカット、小さなカットといったコマ割りを行った表現も面白いだろう。ただし現実世界が持つ空間、時間などあらゆるルールに自由に嘘を付き、パワフルにダイナミックに表現するには不気味の谷のようなものが存在するのだろう。これらは未だ2Dや3Dのアニメ、マンガに分がある。今後のテクノロジーや次世代のクリエイティブの発展に期待する。
続いてこれは意識の問題であるが、主題がどれかは迷わないはずだ。このポジティブスペースの大きさと配置に関しては意識せずとも自然と考えることだろう。対してネガティブスペースは意識を向けないと考えづらいのではないかと思う。従って、どちらも重要な要素ではあるものの、ネガティブスペースに対して考える意識を強く持つ方が思考のバランスが取れると仮定する。筆者がそうであったため、ネガティブスペースについて大きく4項目設ける。
ネガティブスペース:前景オブジェクト
窓枠、電柱、木、机、鏡、あらゆるオブジェクトは前景に配置することで奥行きを強調する場合や、スクリーン内で新たなスクリーンとして機能する場合がある。それは、主題の手前に何があるのかだけでなく、視線を誘導するラインになるかもしれないし、狭い場所から覗き見ている人物の視線を示唆する枠かもしれない。
重要なものよりカメラ側の前景オブジェクトは、基本的にはネガティブスペースの扱いである。
ネガティブスペース:背景オブジェクト
背景は主題が置かれた状況を把握させるために必要な情報だ。主題が遠いほど、広角レンズを使用するほど、画面内の主題が占める面積が小さくなり、背景が持つ情報量が増えていく。そこが砂漠なのか都市なのか、屋外なのか屋内なのか、職場であればどんな職業なのか、古いのか新築なのか、散らかっているのか整っているのか。そこに人物がいるということはどういう経緯だったのか、そこからどんなストーリーが展開されていくのか。主題以外から得られる情報は幅広い。観客が間違った認識を持たないよう、または、裏切りが必要であれば間違った認識を持つよう、誘導する。

主題と副題の距離が離れるほど、被写界深度や動きの視差があればフレームに奥行きを生みやすいと共に、主題と背景を分離しやすい。
望遠に近づくほど空間が圧縮され背景が拡大されるに従い、背景の情報量は減る。必要な背景の情報量に従ってレンズを選択し、必要な主題のサイズに合わせてカメラの距離を選択する。そして撮影場所の制限により別の策を練ることになる。
ネガティブスペース:ヘッドルーム
フレーム内に人物を配置する場合、スクリーンはその人物を捕らえる箱だ。人物の頭の先からスクリーン上端までのネガティブスペースを「ヘッドルーム」または「ヘッドスペース」と云う。基本的には背景が映り込むスペースとなるはずだ。キャラクターと世界との繋がりを感じさせるために役立つ。広ければ遠く、頭がカットされるなど狭ければ近く感じる。

撮影時点で意図が定まっていない場合など、迷ったら広めに撮影しておき、編集でクロップの緊急回避ができる。
ネガティブスペース:ブリージングルーム
フレーム内に人物を配置する場合、視線の先のネガティブスペースを「ブリージングルーム」と云う。進行方向が生まれるアクションを伴えば、前述した見えない矢印として考える。だがこれも基本的には背景が映り込むスペースになるはず。人物が呼吸をするための空間として、通常、空ける。後ろのスペースよりも正面側が狭い場合、これはまた、目線の先に上述した見えない矢印を生じ、フレームの端までの重みを感じるスペースが圧迫され、息苦しくなる。これを逆手に取れば緊張感やネガティブな感情を示唆したい場合、ブリージングルームを狭く取れば良い。

このようにカメラで切り取ることで本来は現実世界にない見えない枠が生まれるため、フレーム内の重みのバランスを取るために活用できる。
広角レンズにおける主題の飽和
広角レンズが遠近感を殺す場合もある。
ここで03.カメラコントロール2/3で触れたレンズの焦点距離に立ち返ってみる。広角にするほど遠近感が強調され、望遠にするほど遠近感は圧縮されることを実例を交えて確認したが、ここに危険な固定概念が存在する。あくまで割合で強調、圧縮されるわけであり、非常に遠くのビル群を広角レンズで捉えるなど遠近感(距離差の%)がそもそも少なければ強調したところでさして変わらない点である。100m先の物体と101m先の物体に遠近感など感じられるはずがない。
全てのオブジェクトの距離感が同程度ということは、奥行きは無いに等しくなる。平坦になる。焦点距離に関わらず奥行き感が必要であれば、距離差を感じられる程度の近さで遠近の被写体を並べたり、明らかに近い位置にもオブジェクトを配置したりするべきである。遠いか近いか、という情報は観客が大きさを想像できるオブジェクトに対比があって始めて伝わる情報であり、手前に精巧なミニカー、奥に人間がいる場合(被写界深度が十分に深ければ)距離感を錯覚することすらある。フレーム内にある定規となるものが誤解なく手前と奥に配置されることで、観客が奥行き、ひいてはどの程度の焦点距離のレンズで撮影されたものかを判断できる。
平坦なことで、下の画像では「何が主題か」不明になる。もし、特定の建物など主題を伝えたい場合は失敗のショットであり、夕暮れ時の仙台が舞台であることを伝えたい場合は成功のショットとなる。

また、平坦なネガティブスペースがあまりにも広く、主題がぼやけてしまう場合はエスタブリッシングショットであっても望遠が優位になるケースすらある。望遠を選択するケースでは奥行きを強調するオブジェクトを配置する足し算ではなく、平坦さを隠す引き算として、不要な情報をクロップするのである。
遠近感を殺すケースのもう一つは被写界深度にある。被写界深度は距離が離れるほど深くなる、つまり広角レンズでの撮影では被写界深度が深くなりやすい。全体にフォーカスの合ったパンフォーカスでは、遠近感を伝える手段が一つ減るわけである。また、不要なものをクロップではなくボカす解決法があるが、これも使えなくなる。
以上は写真において平坦な広角写真にしないという方法であるが、こと映像であればこの遠近感を強調するために前後、左右、上下に視点をスライド移動するという手段も残されている。遠景と近景でフレーム上の移動量が変わることを利用し、奥行き情報を観客に渡すことができる。
これが、広角レンズでのエスタブリッシュショットがドローンで撮影されることが多い理由だと筆者は分析する。
奥行きが感じられないことがメリットになるケース
遠景が立体的に見えないということは、VFX時に明確なメリットが存在する。空や遠くの建物などを合成する場合は3DCGでモデリングせずとも、書き割り(一枚絵)で成立する。
カメラ目線:第四の壁
劇中の世界と視聴者は通常、第四の壁と云われる見えない壁で区切られている。登場人物は劇中の世界がフィクションと認識しておらず、カメラはまるで存在していないものとされるわけだ。
この壁を越えるのがカメラ目線である。
さらには観客に向かって話しかけることもあり、これらは観客を現実に引き戻す。フィクションとしての世界が壊れ、幾分コメディとしての印象を生む恐れがあるため、使い所は難しいがストーリーテリングの演出としては面白い。

はっきりとカメラ目線にせず、あくまで登場人物の目線の先から覗き見ているという文脈であれば…例えば殺人鬼を真正面から捉えることで、観客はまるで自分と視線が合っているのかと不安になり、恐怖を煽ることができる。
ただし、後述する「POVショット」では特例として第四の壁を越えずに、登場人物と観客が目を合わせることができる。
クリーンショットとダーティショット
前景オブジェクトが映り込んでいないものを「クリーンショット」、逆に映り込んでいるものは「ダーティショット」と云う。


例えば窓越しに室内の人物を撮影するショットは前景に窓枠、ガラスがありダーティショット、対話相手の肩のみが手前に映る肩越しショットはツーショットのダーティショット。画面内に入り切っていない別のオブジェクトとの距離感、関係性、世界の広がりを直接またははっきりと描写せずに感じさせる役割がある。
ダーティショットを使いこなすことで、表現力は飛躍的に向上する。
他方、「演者のスケジュールが合わずに会話シーンを1人ずつ個別に撮影する他ない場合」であっても、クリーンショットしか準備ができないことで対面している感覚は薄れるものの、成立はする。コストを割けるようであれば、ダーティショット用に画面手前の人物のみをグリーンバックなどで撮影し、合成する方法もある。

※上記は暗いシーンのためブルーバックを採用した。
別日に撮影する場合は再セッティングが必要となり、高コストとなる。どちらの場合も合成時に邪魔にならない、且つ、目線の先に目印や仮の人物を配置し演じてもらった方が演技が自然になりやすい。注意すべきは光の加減と演者の目線である。先に撮影する方ではいない演者の身長を正確に把握しておく。後に撮影する方では編集ソフトを持ち込み、その場で合成確認できると良い。
双子設定やタイムリープ物などで対面する両者を1人の演者が演じる場合にも応用でき、クリーンショットばかりでは説得力を欠くが、このような策もある。別日に撮影するよりは再セッティングの手間が要らないため難易度は下がる。
フレーム内のサイズ比率
そのショット内の全てのオブジェクトの重要度とサイズは比例させると、観客の認識と一致しやすい。大事なものは一番面積を占有し、重要度が0なら画面外に追いやる。もちろん、1本の髪の毛など物理的に小さ過ぎて面積を稼げない場合はその限りではなく、それ以外を目立たないようライティングや彩度の低い美術、ピントを外すなど注目度を稼ぐ。
ダーティショットにおいては手前の人物の背面が一番大きくなるが、これは画面の「フレーム」扱いとなりノーカウント。
シングルショット(Single Shot)
被写体の向きに関わらずメインとなる被写体1人を切り取る手法。注目させたい1人がいる場合はシングルショット。「ワンショット」がRec開始からRec終了までの一度に撮影した1つのファイルで使われているため、混同しないようこちらはシングル呼びする。ダーティショットの見切れた手前の人物はノーカウント。
ツーショット(Two Shot)
被写体の向きに関わらずメインとなる被写体が2人の場合こう呼ぶ。協力関係、対立関係など被写体同士の向きによって2人の関係性を説明する際に使用する。
また、会話シーンは1ショットで撮り切れることが多く、カットを割ることでリズムを作りたくない場合にも検討できる。
焦点距離の選択
緊張感のある会話シーンであれば、望遠が適している。これは人物同士の言葉の重みで画面を埋め尽くしたいからであり、広角ショットにすると視界が開けリラックスするとともに人物同士の距離が膨張され、背景が多く映り込むことでノイズが増えるからである。

レンズが切り取る角度、空間の圧縮度から意図に見合う焦点距離を選択する。
スリーショット(Three Shot)
3人以上を同時に画面内に収める場合、スリーショット、フォーショットと順に増えるが、どこまで人数で呼ぶかはお任せする。
これらを、そのショットでどれだけの人数が同時に画面内に存在する必要があるか、何を表現したいのかを考慮し決定する。ストーリーテリング上で、対話中の2人がいたとして、盛り上がりを演出したいのであれば対面させ肩越しショットでカットを割りリズムを作り、神妙な話をするのであれば2人をワンショットで撮影するなど、あらゆるケースで共通する正解というものはない。文脈から来る重要度として、正解は監督が決めるものである。
肩なめショット/OTS
「肩越しショット」「OTS(Over the Shoulder)」とも云う。

対話中の人物のやや斜め後ろから、もう一方の表情を捉えるダーティショット。対話中の人物の体は一部がスクリーン外に追いやられる。フレーム内には肩のみを入れたり、肩と頬を入れたりする。発言中の人物に注目させたいが、話を聞いている人物の反応も見せたい場合や、カットを割ることでリズム感を生みたい際に検討する。
対話中の人物に身長差がある場合、完全なアイレベルではなく肩が入るように高さを調整すると落ち着いたフレーミングになる。身長の低い方からはカメラ位置も低く、身長の高い方からはカメラ位置も高くすることで、受け手の目線をシミュレーションできるためである。
一方のみが座っており、高低差がある場合は肩ではなくケツをなめることになる。あまり馴染みないが「OTH(Over the Hip)」と云うようだ。筆者はどちらも肩なめと言ってしまう。
POVショット(Point of View)
一人称視点。望遠鏡や監視カメラ、人物の目線を模したショットで、登場人物のリアルな視点を共有したり、未知なるキャラクターの全貌を見せずに存在を示唆できる。

無機物の視点なら固定、生き物の視点なら手持ちで手ブレを起こすと自然になる。全編POVでも問題はない。
通常、この目線の持ち主を映したショットと組み合わせる。↓の場合、登場人物がPOVの主と目線を合わせることで、カメラ目線とはなっているが、

あくまで「登場人物の視点」と捉えられることから、唯一、カメラ目線と組み合わせても第四の壁を越えない選択肢が与えられている。
インサートショット(Insert Shot)
被写体は人物に限らない。手紙や風船など、重要な意味を持ったオブジェクトやまたそのディテールを見せたい場合に使用され、ときにはPOVとも相性のいい組み合わせである。
インタビュー映像などで、ひたすらインタビュイーのみでは退屈になるため、セリフに関連する情景を「挿入」することがある。ので「インサート」ショット。
インサートするということは、文脈的には関連性があるものの、前カットから全く異なる物体を映すため、視線の誘導や集中できる配置になっているか検討の余地がある。
まとめ
このように、焦点距離はショットサイズに応じて考えるものではないことがわかる。広い画の表現に必ずしも広角レンズが必要ではなく、同じく被写体に集中するタイトな表現にも望遠レンズが必要でもない。
そして、構図だけでも、アングルだけでも、主題だけでも全てを効果的に物語ることはできないこともわかる。
あくまでストーリーテリング上、そのショットで伝えなくてはならない情報、感情を伝えられる焦点距離、画角、フレーミング、ネガティブスペースを決定したことによって、結果的にそのショットサイズになるということである。さらに後述するライティングで強化する。
では、撮影素材から見やすく、理解できる情報を観客に渡す、「繋げる技法」について、続けていこう。





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