カメラ内の設定だけで言えば、大まかに「ISO」「シャッタースピード」「絞り」を変えるだけでいい。逆に言えば、これらをいじくるだけで記録される映像の状態に大きな変化を加えることになる。時間、空間を「切り取って圧縮されたデータに変換する」以上、変換する前の状態を先に認識し、適切な設定で記録するわけである。編集時に取り戻せないデータがあることを認識するほど、設定の大切さが日に日に身に沁みてくる。掘ろう。大丈夫。知るほど楽しくなるのが撮影だ。
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カメラコントロール
像の明るさを決めるための、センサーに届く光の量を「露出」と云う。カメラの設定において、この露出をコントロールする3つの要素「ISO」「シャッタースピード」「絞り」に触れる。文字数が想定より大幅に増えたため、このページでは「ISO」「シャッタースピード」を記載、その後急に「レンズ」の話を経て「絞り」と続ける。
ISOはセンサーの「感度」のこと。光にどれだけ反応するかの敏感さ。数字が低いほど鈍感になる。100なら暗く、12800などに上げれば明るくなる。センサーの面積が大きいほど取り込む光の量が増え、明るくなる。反面、ISOを上げるとノイズもろとも電子的にブーストすることになる。後述する。
シャッタースピードはセンサーに光を当てる時間のこと。センサーが光を長く受ければ明るさは足し算されて明るくなっていく。星空も数分シャッターを開けておくことで明るく撮れる。反面、シャッターが開いている間の動きも全て記録され続けるため、動く物体にはブレが生じる。ブレを感じないほどの一瞬だけシャッターを開けることで、ブレを抑える。反面パラパラ感が強くなる。もしくはシャッタースピードを長くすることでブレを生じさせスピード感を演出したり、パラパラ感を滑らかに感じさせられる。動画撮影では1秒間に何枚の画を使用するかのフレームレート(後述)があり、物理的に1フレーム以上シャッターを開けられないため、シャッタースピードは30fpsであれば1/30秒(=0.03秒)以上にできない。1/29にはできないということ。後述する。
ここまではカメラ本体側=ボディにあるセンサーに光が届いた後の話で、その手前、レンズ内で露出を変える仕組みもある。
レンズを通る光の量、露出は絞りでコントロールする。カメラにはF値と云う数値で表示される。レンズ内には開閉する羽根が入っており、絞りを開く、閉じる、または絞る、などと表現する。まぶたのようなイメージ。絞りを開けば通る光の量が減らないため、明るくなり、絞りを閉じていけば暗くなる。反面、レンズの仕組み上、光を取り込む面積が大きいほど、ピントが合う範囲が狭くなる。フォーカスで後述する。
このように、取り込む光の量、面積、時間によって明るさをコントロールできるが、それぞれ副作用があるため全て覚えなくてはならない。
設定1:ISO(感度)
一番簡単に明るさを変更できる設定であるが、取り込んだ後の光を電子的に上げ下げするだけの機能であるため、編集ソフトの機能で明るくする、暗くするのと意味合い的には”ほぼ”同じである。この編集ソフトの一歩手前、アナログの光を記録するタイミングでの明るさをカメラ本体のISOでコントロールする。光の量のコントロールというより、エフェクトと考えると都合が良い。
編集ソフトで明るさをいじるのと”ほぼ”同じという意味は、後述する明るさの項で解説するが、白飛び、黒つぶれの状態で記録してしまった映像は、そこに完全な白、完全な黒以上の情報はないため、編集ソフトでは戻す余地はないが、ISOでコントロールすることでこれらを防ぐ技術介入の余地がある。
ただしどちらも明るさを上げるということは電子的なブーストであるため、ノイズも明るく見やすくしてしまう点はしっかりと理解しておきたい。
ISOは数値で表され、100→200→400→800→1600…と倍ずつ設定できるカメラがほとんどである。120、160などを選択できる機種もある。この数値をそれぞれ「1段」「1ストップ」と数え、ISO200から400にすることを「1段上げる」、12800から6400にすることを「1段下げる」と云う。
古来のフィルムはISO50のフィルム、ISO100のフィルムなどと感度は固定だったため、感度を変えたければフィルムを入れ替える必要があった(そして現像するまで画が確認できなかった)。数値で簡単に変更ができるようになったことは先人たちへ感謝しても良いだろう。そして一度撮影したフィルムは削除ができないため、複製・削除が簡単などなどデジタルの恩恵は多い。ただしデメリットもある。これらをひっくるめて正しく理解することがクリエイティブに大きな助けになる。こんな文章をここまで読めるのであれば、ぜひ以降も根気強く読み進めて欲しい。
一般的にカメラのセンサーには「ベース感度」あるいは「ネイティブISO」と云うISOのデフォルト値がある。ネイティブISOで撮影することで、色の再現性や撮影できる光の範囲などが最大化され最適な画が撮影できるとしてメーカーが設定している。
例えばネイティブISO400で開発されているカメラであれば、ISO6400にすれば明るくできるが、わずかながら彩度が落ちる、特定の色に傾く、ノイズが出る、捉えられる明るさの範囲が変わるなどなにかしら影響が少なからずあるとされている。シビアな表現でなければノイズの違いしかわからない程度だと思うが、知識として脳の片隅に置いておきたい。
感度によるノイズは2つあり、白黒のざらつきを輝度ノイズ、本来はないRBG色のざらつきをカラーノイズと云う。両方出るので目立っていく。ノイズを防ぐにはISOを低く保つ。そのためには十分な照明を当てるか、光を多く取り込めるセンサーサイズの大きいカメラを使う。そして発生したノイズを軽減するにはカメラか編集ソフトのノイズリダクションを使う。ノイズリダクションはノイズとして検知した粒を塗りつぶすため、強く適用するほど塗り絵のようなツルッとした質感になっていく。よってとりあえず適用するのではなく、ノイズとディテールのスイートスポットを探し調整する必要がある。ちなみに、ピントが合っているディテールのある部分よりも、ピントが合っていない滑らかな部分ほどノイズは目立つ。また、同じ理由で広く一色となるような範囲はカラーノイズが目立ちやすいため、細かな模様のオブジェクトを多くするか、カラーノイズが目立つほどISOが高いという場合は暗いはずなので、思い切って暗い部分は黒く潰す方がノイズが目立ちづらくなる場合もあり、暗い部分はあえて露出を下げる手段も検討の余地がある。
同じカメラでISO100にすることでより暗くでき、ノイズをさらに抑えることができるが、これも撮影できる明るさの範囲が狭くなるなど、細かな細かな違いがある「ようだ」。筆者レベルであれば現場で明確なデメリットを目で捉えられたことがないことは付け加えておく。編集時にカット間の色がぴったり合わず困ったことはあるため、もちろん完全に無視すべきではない。
また、中級機以上の機種では、センサーが最適な画を捉えられる設定を2つ備えているデュアルISO機もある。例えばネイティブISO400の低感度側を担う専用回路と3200の高感度側を担う専用回路を持ち、切り替えるといったデュアルISO搭載機であれば、ISO1600あたりでもう一方のISO設定に切り替わるため、場合によってISO800で撮影するよりもISO1600にしたほうがノイズが減るという逆転現象が発生する可能性もある。手持ちのカメラの説明書は読もう。確かに面倒だが、無料で付いてくる公式の仕様書だ。
Blackmagic社のCinema Camera 6Kという機種であれば、ネイティブISOが400と3200であり、1000以下が低感度、1250以上が高感度のネイティブISOに切り替わるため、ISO1000よりも1250がノイズが少なくなる。ただし、公式データを見るに1000では明るい部分の表現力が狭く(明:暗=6.2:7.3)、1250では暗い部分の表現力が狭くなる(明:暗=5.6:6.5)ため、ここを跨ぐかたちでISOを切り替える場合、見た目が大きく変わることになるため、ノイズを優先に考えるか、明るさの表現力の範囲を優先に考えるかで検討する。


参考:https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/blackmagiccinemacamera
明るさの「範囲」
カメラには扱える明暗差の限界範囲がある。カメラ自体の性能はもちろんだが、保存するデータの方式とも密接に関わってくる。なぜなら8bitで記録する場合はRGBそれぞれ256段階”しかない”からだ。暗さの限界であるRGB全て0の黒から、RGB全て255の白の範囲で割り振るため、カメラの性能が恐ろしく良く、とてつもない暗い部分と眩しい部分を同時に捉えられたとしても、8bitに割り振ると段差が大きくなりすぎ、コントラストの激しい画となってしまう。よってカメラは保存するデータのビット数に応じた適切なコントラストが得られる範囲のみ記録できる設定で開発される。
このカメラが記録できる一番暗いところから明るいところまでの範囲を「ダイナミックレンジ」と云う。
ダイナミックレンジ
センサーに届く明るさが足りずRGBが保存できる範囲の0を下回った場合、つまり明るさの最小値を超えると完全な黒として保存され、明るすぎてRGBが保存できる範囲の255を上回った場合、つまり明るさの最大値を超えると完全な白として保存される。色調補正をしても戻ってこないデータとなる。この階調を失わずに画として記録できる範囲のことをフィルムではラティチュードと言ったが、デジタルではダイナミックレンジと云う。またこの範囲を超えることをクリップすると言う。それぞれ上下にクリップすることを「白飛び」「黒つぶれ」と呼び、撮影時に避ける以外ディテールを残す手段はない。


白飛び、黒つぶれ
逆に、白飛び、黒つぶれは色調補正により起こることもあり、RGB=0~255に収まらない限りクリップする。ただし、100%悪ではなく、潰すべき黒はつぶし、飛ばすべき白は飛ばす。恐れない。恐れずに意図、自信を持ってクリップするためには、知識が必要だ。
ダイナミックレンジは、「このカメラのダイナミックレンジは12ストップ」などと使い、露出何段分の明暗差が一度に記録できるか、という性能のことである。公表しないメーカーもあるが、ダイナミックレンジの広さを謳うカメラであればスペック表などに記載の可能性がある。有志が検証結果をネット上に公開していることもある。実際にはISOによって変化する場合があり、ネイティブISOちょうどが明るい方と暗い方の階調を半分ずつ、豊かに記録でき、ネイティブISOから離れる際に性能が落ちやすい。まぁ同じショットをISO違いで撮影したものを見比べない限りほぼ気付けないだろうが。
Rec.709と云う、テレビ放送で一般的な色空間では5~6ストップと言われるところ、Log撮影やRaw撮影によって12~15ストップ程度の明暗差を一度に記録できるようになった。
一番明るい部分と一番暗い部分をセンサーで捉えられる範囲に収められなければ、黒つぶれか白飛びとなる。
明暗差が激しいケース、例えば室内と屋外を一度に画面内に収めようとしたときに顕著に現れ、室内の被写体に露出を合わせれば窓の外が白飛びしやすく、外の景色に露出を合わせると屋内の被写体が黒つぶれしやすい。
黒つぶれ、白飛びの回避方法
この場合は窓に黒いフィルムを貼るなど、眩しすぎる光を抑えるか、被写体に照明を当て暗い部分の明るさを持ち上げることで、明部と暗部の差を縮め、カメラのダイナミックレンジに収めることとなる。条件によってどちらも無理な場合は窓を画面外に追いやることで回避する。
カメラがセンサーに届いた光を記録するという基本に立ち返ると、ISOを上げることとは届いた光を電子的にブーストすることであり、ノイズもろとも明るくする。ここから考えると一般的には明るいものを低ISOで撮影するのが低ノイズの画にするセオリーである。ノイズを軸に考えるならば、ISO100で撮影できるに越したことはなく、ISOを上げるほどノイズが見え始めるため、それで暗いなら照明を検討する。
ただしISOによってダイナミックレンジや色の再現性が微妙に変わるため、ノイズ以外に優先したいものがあれば低ノイズにこだわる必要はなくなる。あくまで人の目が感知しやすいノイズの優先度が高い場合が多いだけである。
これを決めるのが監督であるあなたの役割であり、ときにシビアな決断を迫られることになる。予算が限られているほど顕著だ。正しい判断には正しい知識、そして創意工夫が必要だ。
しかしながら、明暗差、コントラストは表現したい文脈や世界観の構築に必要な場合もあり、飛ばすべき白は飛ばし、潰すべき黒は潰すことを恐れず、あなたの作風を確立したい。
明るさの指標の種類
光をデジタルデータで扱う以上、輝度、照度、これらを表す光束と光度。そして色に関わる明度、彩度、色温度についても触れておこう。前半の輝度、照度、光束、光度、これらは全て明るさを表す指標である。4つ全部。怖いよね。

輝度
物体がどれくらい発光しているかの尺度。(覚えずとも大丈夫→)光源から発せられる光の量をカンデラ(cd)/距離の2乗(m^2)で表す。色と分けて考える。
照明機材がどの程度明るいかは、よく、光束:ルーメン(lm)か光度:カンデラ(cd)で表記されている。どちらも後述する。照明であれば機材自体の性能と捉えて良い。次の照度の逆。
カメラボディの液晶モニタの明るさはニト(nit)で表記されていることがある。ニト(nit)=カンデラ(cd)/平方メートル(m^2)。ボディの液晶モニタ自体のスペックや、カメラ用外部モニタ購入時の参考までに、晴天時の屋外で視認できる明るさは1000nit以上欲しいところだ。印刷物は物体色であり、反射した光を色として視認するため、明るい場所ほど明るく見える。しかし発光体は光源そのものの色となるため、周囲より暗い画面は見づらくなるためだ。
照度
物体がどれくらい照らされているかの尺度。面積を考慮し、平方メートルあたりのルーメン(lm)で照らされた面の明るさをルクス(lx)で表す。ルーメン/距離の2乗。lm/m^2。照明があたった被写体の表面の明るさ。輝度の逆。
とてもわかりやすい例え話
光が球面状に広がる小さな粒、例えば無重力空間における ねこのおしっこスプレーとすると、距離が倍になれば、球面が4πr2になることをイメージするとわかりやすい。つまり、距離を2倍にすれば、同じ量のおしっこがぶつかる面の粒の細かさは1/4になる。そしてビームのように光が広がらないように集めたり、散乱を抑えると減衰を少なくできる。
距離の2乗に反比例するため、「逆2乗」と云う。After Effectsのライトレイヤーにある「逆2乗クランプ」は、現実の光のように減衰する設定ということさ。
色相
可視光で触れた色のこと。色合い。色味。赤であるとか、青であるとか「色の種類」のことであり、下の図の左右に色の違い以外の意味はない。可視光は赤の期間が長いが、等間隔に割り振り直すと、見慣れた色相のグラデーションになる。

これを丸めると色相環である。この配置で隣り合う色相が似た色は親和性が高く、反対側の色、例えば5Rと5BGは「補色」と云い互いの色を際立てる。ネット上の知識レベルではモニタ上の問題か、見本によりカラーコードが異なり、正式なものがどれか筆者は未だ判断が付いていない。

肌色=スキントーンの判断基準
肌は物体であり、我々は反射を見ている。入射光の内、一部吸収された残りの電磁波が反射し、網膜がその電磁波の周波数に応じた色に変換する。
肌の色には個人差と人種差がある。通報は待つように。濃い色ほど反射率が低いという純粋な話である。明るい肌(ファンデーション含め)の色は明度が高く、多少光量が乏しい環境であっても反射する光が確保でき、肌色となりやすい。
褐色の肌の本来の色をセンサーに届けるためには、反射するために必要な光量が増えるということを認識しておきたい。即ち、フレーム内に肌の色が異なる人物を同時に配置する場合は、暗い肌に合わせた照明、露出を検討する。
髪色の判断基準
髪も同様に、黒から色素の量により茶色、黄色、白まで多様な色がある。さらに人類はヘアカラーにより染色まで生活に取り入れている。こちらも明度で判断する。
黒い髪は反射率が低いため、ディテールを確保しにくいことを認識しておくこと。
これらを合わせると、黒髪+明るい肌、白髪+褐色の肌で判断に迷うが、スキントーンの優先度が遥かに上であることがほとんどだろう。両方のディテールを保持できない場合、スキントーンに合わせる。
明度
対してこちらは左右に暗い、明るいの意味がある。

「色の明るさ」の尺度。発光体ではなく物体の色、これの明るさ。デジタルでは白をどれだけ含むか。発光体の明るさは光の強さであり上限がなく、明度は上限があり、「人間が色として知覚できるクセを考慮したレベル分け」になっている。人間の感覚を考慮すると、光の量を数値上倍にしても、知覚上は少し明るい程度にしか感じないそうだ。辛さの感じ方も同じだ。カレーの2辛は香辛料2倍だが、3辛には香辛料4倍、4辛には香辛料8倍…となる。明るさの感じ方を対数的に増やす場合、光の量は指数的に増やさなくてはならない、ということである。RPGのレベル上げと同じ。人生の経験値と同じだね。音の大きさも、音程も、地震の揺れの大きさも、人間の感じ方は、対数なのだ。
物体の明度は、光の反射率にも左右され、反射率の高い黄色は明度が高く、反射率の低い紫は明度が低くなる。隣り合う色によっても「感じ方」は変わるため、同じ青でも周囲に明度の高い青があれば中心の青は暗く見え、周囲が明度の低い青であれば、中心の青は明るく見えるはずだ。「明度対比」と云う。

色と明度の関係について学んできた。色はさらに「色の鮮やかさ」の尺度も関係する。「彩度」である。
彩度
左右に色が薄い、濃いの意味がある。

「色の強さ」の尺度。彩度が高い=鮮やか=色が濃い。彩度が低い=くすんでいる=色が薄い。彩度をわずかでも持った色を「有彩色」と云い、彩度を持たない色=白、黒、グレーのことを「無彩色」と云う。彩度も周囲の彩度差によって鮮やかさの「感じ方」が変わる「彩度対比」がある。

色温度
光の色を温度に当てはめた尺度がある。「ケルビン(K)」と云う。ちょっとかわいいね。ポケモンにもいるかな?

いないようだ。
摂氏-273℃の絶対零度を0Kとして、いろいろこねくり回して定義されているよ。

ガスコンロをイメージすると判断しやすい。温度、つまりケルビンが低いと赤い炎、ケルビンを高くすると白→青となる。波長が短いほどエネルギーが大きいと覚えたね。エネルギーが小さい=波長が長い=赤。エネルギーが大きい=波長が短い=青。一致するね。
おおよそ、ロウソクや夕焼けで2000K、太陽光は5500K、曇り空が7000Kくらいとざっくり覚えよう。
なぜなら我々はこの法則自体、ざっくり知っているからだ。
観客はスクリーンの中で起こる出来事を、経験に基づいて判断する。時間、重力が身の回りと同じルールである前提で映像を見るのである。このルールから外れる程、違和感を感じるわけだ。人間の感じ方に合わせてコントロールする必要がある。
色温度と眩しさは別物であり、色温度が高ければ高いほど明るく見えるわけではない。むしろ、青い光は眩しさを感じづらいため、暗く見えることもある。さらに「色の持つイメージ」はまた話が変わり、赤は暖かく、青は冷たく感じる。色温度とは逆だ。計算通りにいかないのが人間だ。実に面白い。
こたつが赤い光なのは温度による自然な色ではなく、暖かく感じさせるためにオレンジの色を付けているのは有名な話だ。
ホワイトバランス
このことから、映像の色温度は重要な役割を持っており、これを調整する機能がホワイトバランスだ。
白いものを白に整える機能である。
人間の脳はよくできたもので、オレンジの照明の下で白い紙を見ても、「白である」と都合よく解釈する。強力な補正機能を持っている。が、フレームに切り取られた映像を見る場合はこの補正機能が働きづらい。自分がいる空間の色温度と、映像内の空間の色温度の2つになるからだ。
多くのカメラには、身近な光源に合わせいくつかプリセットされている。晴天、日陰、曇天、電球などだ。オートなんてものもある。基本はこれらを使わないよう訓練したい。晴天でも色温度は変わるし、青い看板などの光源があればフレーム内の色温度は簡単に変わる。オートも測定するポイントによって変わる。同じ室内で撮影を続ける場合など、固定したい場合はマニュアルで指定すると安全。
オススメは18%グレーを基準にオート設定する。
オート機能は測定するピクセルの部分から正しい色温度を逆算してくれる機能である。物体の表面で反射する照明を基準に色温度を調整するため、測定部分は無彩色が好ましい。撮影機材メーカーの銀一から、グレーカードが発売されている。定番商品だ。無彩色のグレーの紙で、フレーム内にこれを捉えオートホワイトバランス機能を走らせる。
銀一 シルクグレーカード
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「18%グレー」という商品を持っておくことで、ホワイトバランスの調整は一瞬で終わることとなる。注意点としては、表裏でグレーの薄さが変わるものもあり、その場合は薄い方と覚えて良い。完全な白や黒では色の反射がわずかに強すぎ、弱すぎとなり、多少グレーが入ったほうが計算には都合が良い。その中でも反射率は高いほうがより正確に色温度を計算できる。大きいほうがカメラに映しやすいが、小さく切って財布や名刺入れなどで持ち歩いても良い。測定時は被写体の前で、ムラなく照明が当たる角度でカメラに向ける。ピントは合っていなくても問題ない。
ホワイトバランスは編集時に合わせることもできる。同じ構図で被写体の位置でグレーカードをカメラに見える状態にしたショットも別途撮影しておき、編集ソフトのホワイトバランスピッカーのスポイトでグレーカード部分をピックする。
明るさの単位
明るさを数値で表現する場合、光源から発せられる光の量を光束=ルーメン(lm)で表す。光で照らされた面の明るさを照度=ルクス(lx)で表す。
撮影時には照明機材がどの程度明るい光を照射できるのかが何lm、光が当たった被写体の表面は何lx、と考える。
身近な明るさ
屋外であれば晴天時の日中は100,000lx、曇りなら10,000lx程度、満月の夜なら0.2〜1lxだそうだ。屋内は例えば学校であれば文科省が定めた「学校環境衛生の基準」なるものがあり、
教室及び黒板の照度は、500 lx 以上であることが望ましい。
学校環境衛生基準(平成21年文部科学省告示第60号)
https://www.mext.go.jp/content/20230817-mext_kenshoku-100000613_1.pdf
となっている。そして、
最教室及び黒板のそれぞれの最大照度と最小照度の比は、20:1を超えないこと。また、10:1 を超えないことが望ましい。
学校環境衛生基準(平成21年文部科学省告示第60号)
https://www.mext.go.jp/content/20230817-mext_kenshoku-100000613_1.pdf
などなど、決まりがあるようだ。
ろうそくの明かりは10lx程度。なんとなくイメージできただろうか。
これは「照度計」で数値を測れる。カメラの適正露出を表示する「露出計」もある。
照度計
光に反応するGLOBEという球状の面に光が当たった状態で計測することで、そこに当たる光の照度を数値で表示する。斜めから入射した光に対しても、補正してくれる。注意点としては、手を伸ばして計測する場合、測定者自身の体に反射が起こっていることも認識しなくてはならない。光源と照度計の射線に入らずとも、頭、服に反射した光が照度計に届けば、撮影時点での照度より明るい数値が出る。また、テーブルなどの反射を遮ることで、撮影時点の照度より暗く出ることもある。
正確に測定するためには、縮こまって「お邪魔してます」と呟きつつ測定する。顔は歪ませて申し訳無さを演出することでも精度を上げることができる。違うか。
冗談はさておき、黒い服を着る、対応していればリモートケーブルで、もしくはタイマーで測定する。
露出計
「反射光式」と「入射光式」とこの両方の機能を持った「ハイブリッド式」の3タイプある。鏡をイメージすると説明しやすい。跳ね返った光が反射光、鏡に当たる光が入射光だ。液晶のデジタルタイプと、アナログタイプがある。針が振れるアナログタイプはかっこいい(使わないが欲しくなる)。
カメラにヒストグラムの表示がある場合、反射光式の露出計が組み込まれているということである。別途購入の必要性は薄い。ただし、単体の露出計では適正なISO、絞り、シャッタースピードが表示されるため、購入するメリットがないわけではない。反射した光がどの程度白に近いかを数値で見るイメージであるため、実際の明るさが同じであっても、白い被写体と黒い被写体で違う数値が出る。
反射光式の露出計は被写体から離れた位置から計測する。計測した部分を18%のグレーに撮影するための適正な露出を教えてくれるもの。つまり数値通りの露出にすると必ず18%グレーを目指すことになる。白いものは白く、黒いものは黒く撮影したいはずなので、物体の色を目で見て調整をする前提で使用する。「輝度」と云うもの測るために使う。
入射光式の露出計は被写体の位置で、そこに当たる光を計測する。被写体が18%グレーの物体であると仮定して、適正な露出を教えてくれるもの。つまり被写体の位置まで露出計を持って行けないと計測できない。被写体の明るさではなく、ショット間で照射されるシーンの明るさを厳密に一致させたい場合は使う余地がある。場所、演者、スタッフのスケジュールによっては同じシーンを別日に撮影することもあるだろう。物体への「照度」と云うものを測るために使う。
つまり遠景など近づけない場合や、ネオン看板などの発光する物体は反射光式一択。
そして「適正な露出」というのはメーカーが定めたものであり、やや暗めが好き、明るめが俺の作風だ、など、撮影スタイルによって自身の適正露出はあなたが定める。人の心は信念で掴み取れ。
ゼブラ
ゼブラを表示できるカメラであれば、白飛びの範囲をしましまに表示することができる。この機能は輝度=そのピクセルが何%白いかを見ている。設定で何%以上でゼブラ表示にするか選べる。

100%に設定すれば完全に白飛びしているところのみ把握できるし、範囲を設定できるのであれば、我々日本人の肌で70%~80%に設定することで、良好な露出になることが多い。
ヒストグラム
画面内の輝度に応じて、暗い部分=黒いピクセルと明るい部分=白いピクセルをグラフ表示する機能。言わば輝度分布グラフ。

グラフが両端までおっついてるということは、黒つぶれ、白飛びが起こっていることが分かる。上記の画像を意図的に露出アンダーに加工し黒つぶれを起こしたものと、露出オーバーに加工し白飛びを起こしたサンプルを用意した。

偽色(フォルスカラー)
偽色、あるいはフォルスカラーを表示できるカメラであれば、コントラストの高いピクセルをフォーカスのピーキングとして本来の色とはかけ離れた色に変換したり、輝度を特別な色に変換したりできる。
輝度のフォルスカラー化、これは露出のコントロールに活用できる。Blackmagic社のBMCC6Kを例にすると、赤は明るすぎて白飛び、紫は暗すぎて黒つぶれしているピクセルであるため、避けるように暗部、明部の露出を合わせることでディテールを保持しながらRecできる。

緑が18%グレーとなる輝度を表し、ほとんどのカメラがここに一番豊かな階調を持つよう設計されていることから、スキントーンを緑や1ストップ高い薄いピンクに合わせて撮影すると適正露出となる。
つまり画面内で一番適正な露出としたい物体(ほとんどの場合人の肌)がフォルスカラー上でピンク~グレー~緑を目指し、周辺の明るさのコントロールとカメラの設定をする、というのが適正な露出を得るスムーズな方法である。
人はフレーム内に肌があれば視線を奪われる。誤解を恐れずに言うと、このスキントーンのディテールさえバチッと合わせておけば、最悪他はおざなりでもいいまである(もちろん良くはない)。なぜなら映像はスチルと異なり、時間軸があるためだ。そのカットを見ていられる時間制限がある。全ピクセルを見る余裕などないのである。フレーム内でいちばん重要な視線を集めるオブジェクトのディテールが出ていれば、極端にちらつく光源、玉ボケ、白飛び以外に目が行かないのが自然である。
重要なオブジェクトに命をかけるということは、逆に言えば他に視線を誘導するものを排除すれば良い。全てはコントラストだ。主役に足し算をするならば、あとは引き算でしっかり重み付けを行う。
設定2:シャッタースピード
センサーに光を当てる時間を「露光時間」と云う。レンズとセンサーの間に開閉できるシャッターを準備し、センサーの感度に応じて適切な時間だけ開けて、白飛びする前に閉じれば画が記録できる。
この露光させる時間をシャッタースピードと呼ぶ。シャッターを開けておく時間のことだ。露光している間に移動したものはブレる。

単位は「秒」か後述する「角度」で表され、1/30秒なら手を振った程度で簡単にブレが生じ、1/1000秒なら野球シーンでもブレずに記録できる。角度については先にフレームレートの説明が必要なため、後述とする。さらに、高速点滅する光がフレーム内にある場合、点灯と消灯の隙間を縫ってシャッターが切られることでちらつきや横縞模様が発生するが、これはライティングの回のフリッカーにて後述する。
メカシャッターと電子シャッターがあり、例えばスチルカメラでは撮影時に「ガシャコンッ」という音と振動があるならメカシャッター。ないなら電子シャッターだ。動画用のデジタルカメラは電子シャッターと考えて差し支えない。スチルカメラと知識を共有する部分もあるため、動画カメラを知る上でも必要と考えたスチルカメラの情報も記載する。
メカシャッター
普段シャッターは閉じて遮光されており、撮影の瞬間だけ開ける。
現在はメカシャッターと電子シャッターの両方を備えるカメラも多い。
一眼レフカメラは、レンズから入ってきた光をアナログのまま光学ファインダーで覗くために、鏡を2枚使い光を迂回させている。一眼「レフ(reflex=鏡)」の語源である。この状態ではセンサーに光がいかないため、記録できない。そのため、撮影時にはまず鏡を物理的に移動し、レンズとセンサー間の光を遮る物体を除け、さらにシャッターを開閉して記録する。一眼レフカメラのシャッターは2枚の幕で構成されたフォーカルプレーンシャッターで、先幕が開いて露出を始め、後幕を閉じることで露出を終わらせる。この鏡が除けている間はファインダーに光がいかないため、ファインダーはブラックアウトする。鏡のスペース分カメラ本体は大きくなる。物理的に摩耗するパーツであるため、シャッター回数の限界がカメラの寿命となる。エントリーモデルで10万回、プロ用機で50万回ほどと言われる。
メカシャッターは撮影時の手応えを感じるため根強い人気がある一方、上記の他にシャッターショックと呼ばれる振動によるブレ、シャッターが開閉する機構によりシャッターボタンを押してから露光するまでのタイムラグ、これに伴い連写速度に限界があり秒間15連写でとても高速な部類であるなどのデメリットがある。
この鏡を廃したミラー「レス」カメラもある。カメラ本体を薄くできる上、背面モニターの性能が上がりファインダーを省略する機種も増えた。この場合、覗き窓が欲しければ光学的なファインダーではなく、電子的なビューファインダーを別売りで提供する機種もある。
電子シャッター
機械的なシャッター機構ではなく、イメージセンサーの電子的な制御で露光する。
シャッター回数という寿命がない。撮影時に物理的に動くシャッターがないため振動しない。高速で連写可能。
一方で前述したローリングシャッターの機種が多いことでの歪み、これに原因を同じくした上部と下部の露光の時間差によりスチルでのストロボ使用時には上半分が明るく、下半分が暗く撮影されることがあり露光させる時間とストロボの照射時間の組み合わせに制限が出るなどのデメリットがある。
フレームレート
1秒間に何枚のパラパラ漫画で映像にするかを「フレームレート」と云う。1コマ=1枚の画像を1「フレーム」と云う。単位は「fps(frames per second)」。1秒間に30フレーム使うのであれば「フレームレートは30fps」と云う。
60fps、120fpsとフレームレートが上がるほど滑らかな動きになる。
簡単な実験を行った。YouTubeでは120fpsに対応させられなかったため、埋め込み動画で用意した。お使いのディスプレイがリフレッシュレート120fps以上であれば一番右の円が目立って滑らかに見えるはずだ。いずれかのfpsで違いが見られない場合、お使いのディスプレイのフレームレートが足りないと思われる。PCで視聴している場合はスマホなどに変えて視聴してみて欲しい。
映画は24fps。フィルム時代、手回しで撮影スピードが一定ではなかった。音を一緒に記録し同期させる技術もなかった。一定スピードでフィルムを回せる機械式のカメラが発明され、さらに音を動画に同期させられるようになる。技術的に24fpsが無駄にフィルムを使わず最低限滑らかに見える上で音を同期するに都合の良いスピードであったそうだ。
人々はこれに見慣れたことで映画特有の質感として教育されている。そのため、テレビ放送においては伝送の際のヘルツの違いにより、PAL方式の国では25fps、NTSC方式の国では30fpsが使われるようになったが、ある程度フレームレートの制限から解き放たれた現在の液晶モニターとインターネットの時代においても、映画として見慣れた24fpsを「シネマライク」、30fpsを「ビデオライク」「生っぽい」と言われ続けている。
このNTSCとPALについては、テレビやDVDとして納品するのであれば厳密に仕様を理解する必要があるが、おそらくこのブログの読者には求められないものと決めつけ、ここで切り上げる。
24fpsが「映画っぽい、シネマライク」などと称されるのは長い歴史の中で映画というものに見慣れたことで、多少のパラパラ感があったほうが映画という非日常の、一種の特別感のような幻想があるようにも思う。後天的に学習する感覚だと思うのだ。
おかしいと言っているわけではない。なぜだろうと自問した際に感じた素朴な疑問であり、かくいう筆者自身も、24fps+シャッターアングル180°の映像に魅入られている人間だ。30fpsや60fpsではより肉眼で見る世界に近づき、生っぽいと言えばいいか、現実味、親近感が湧きすぎてしまうのではないだろうか。あくまで創造物として楽しみたいと思った場合、24fpsというのがカクカクしすぎず、ヌルヌルしすぎず、いい塩梅なのだろうと納得してみることにする。
シャッターアングル
シャッタースピードを角度で表すこともある。動画用の古いフィルムカメラ時代は、長い長いロールフィルムを1フレーム、2フレームと送るスピードとシャッターのタイミングを一致させるために回転式のシャッターが用いられていた。シャッターを何°開けるかで露光する時間を制御していたのだ。
シャッターアングルが90°であれば1フレームの内1/4の時間だけ露光され、180°開ければ1/2フレーム、360°開けるとまるまる1フレーム露光することになる。

このようにシャッタースピードを秒数で表す場合と角度で表す場合がある。機種によっては秒数と角度を切り替えられないこともあるため、覚えておいて損はない。フレームレートを変更した場合も、シャッタースピードの場合は秒数を計算し設定し直さなくてはならない一方、シャッターアングルの設定であれば1/2フレームだけシャッターを開きたい場合は常に180°で良いというメリットがある。
180°というシャッターアングルは毎フレーム半分の時間を記録しないため、実際は目が捉えている動きよりもパラパラ感が出るはずだが、露光中に動いた物体はブレ=モーションブラーにより滑らかに見える。一般的にはシャッタースピードはフレームレートの数値を2倍にすると自然な映像が得られるとされており、これがシャッターアングル180°である。映画で採用される24fpsにおいて自然なモーションブラーの組み合わせがシャッターアングル180°であったため、「180度ルール」「180度シャッターの法則」など固有の名前が付けられるほど広く採用されてきた。
シャッターアングルとシャッタースピードの早見表を置いておく。よく使うのを赤にする。
| ↓角度 →fps | 24fps | 30fps | 60fps |
|---|---|---|---|
| 15° | 1/576 | 1/720 | 1/1440 |
| 22.5° | 1/384 | 1/480 | 1/960 |
| 30° | 1/288 | 1/360 | 1/720 |
| 45° | 1/192 | 1/240 | 1/480 |
| 60° | 1/144 | 1/180 | 1/360 |
| 72° | 1/120 | 1/150 | 1/300 |
| 75° | 1/115 | 1/144 | 1/288 |
| 90° | 1/96 | 1/120 | 1/240 |
| 108° | 1/80 | 1/100 | 1/200 |
| 120° | 1/72 | 1/90 | 1/180 |
| 144° | 1/60 | 1/75 | 1/150 |
| 180° | 1/48 | 1/60 | 1/120 |
| 270° | 1/32 | 1/40 | 1/80 |
| 360° | 1/24 | 1/30 | 1/60 |
ハイスピード撮影
いわゆるスローモーションである。フレームレートを上げ高速で撮影することから、「ハイスピード撮影」と云う。肉眼ではじっくり視認できないものを捉えることができる。また、現実世界において一定を貫く重力加速度との関係で大きなものほど動きが遅くなるということを知っている我々は、「遅さ」を「大きさ」と混同する効果が期待できる。そのため、巨人や巨大な怪獣、大きなスペースシップなどを表現したい場合はハイスピード撮影が便利である。また、スローで見ることで手ブレをごまかす効果も期待できるため、動きのない物体をカメラの移動で捉える場合に都合がいい。状態としては静止画に近くなるが、少なからず時間軸を伴った体験ができる。どれだけのハイスピード撮影ができるかはカメラの性能による。同じカメラでも複数のフレームレートを選択できるものがあり、解像度を落とすほど、データ転送速度を落とすほど、高フレームレートを選択できることが一般的である。
映像を編集でスローモーションにする場合、24fpsのタイムラインに対して、24fpsの撮影素材を5倍に引き伸ばす場合、速度を1/5にはできるが画の枚数は秒間24枚しかないため、5フレームに1回の画面更新となり、4.8fpsのタイムラインと同じ映像に見える。よりカクカク、パラパラになるのだ。
完成動画のタイムラインのフレームレート以上で撮影することで、編集時にフレームが欠けることなくスローにすることができる。「ハイスピード撮影(高速度撮影)」と云う。30fpsのタイムラインにおいて、300fpsの撮影素材は10倍のスローモーションにしても全フレーム分の画があるため、スローモーション動画を30fpsで滑らかに視聴できる。逆に300fpsで撮影した映像を30fpsに等速で乗せるということは、1秒あたり270枚の画が捨てられるということになる。
ハイスピード撮影でもシャッターは1フレーム以上開けられないため、2倍を超えるハイスピード撮影で同じモーションブラーは維持できない。具体的には24fpsのタイムラインでシャッタースピード1/48秒を目指したいところ、2倍のハイスピード撮影であれば360°=1フレームまるまるシャッターを開けることでモーションブラー自体のかかり具合は維持できるものの、フレーム間で捨てられる時間がなくなり、全く同じにはできない。
再生速度を可変させる表現も面白い。例えばボールがバットに当たるまでをスローモーション、当たる瞬間に加速させるなど、アニメのように溜めとインパクトを強調する効果を狙うこともできる。
“編集時にフレームが欠けることなくスローにするには、ハイスピード撮影を行っている必要がある。”
当たり前のことだが、撮影時点で後工程での編集を考えておかなければならず、忘れがちであるため意識しておく必要がある。
撮影素材のフレーム数が足りない場合も、編集ソフトによってはフレーム間の画を生成することでスローモーションを実現する機能もあり、複雑な模様やブラーのかかった箇所、あまりにもフレーム間で長距離動いた部分の精度は劣るため万能ではない。使えるシーンはあるため試す価値はある。反対派もいるだろうが、これにより多少ぐちゃぐちゃなフレームが発生したとしても、必要な演出に優先されるものが何かを信念を持って作ってほしい。
これらがボディ側での設定だ。レンズ交換式カメラにおいて、この手前のレンズ側でのコントロールについて続ける。
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